道の途中で
フランシスカニズムの未来を垣間見るには、私たち現在のフランシスカン自身の姿を鏡に映し出して見さえすればよいのです。私たちの内に、聖福音への絶え間ない献身は見られるでしょうか。私たちの生活に福音的な大胆さが認められるでしょうか。この800年の間フランシスコやたくさんの兄弟たちの生活に見られた福音化の炎は、消えてしまったのでしょうか。現在の私たちのあり方が、そのまま未来のフランシスカニズムの姿となります。もし私たちが存在している間に魂を枯渇させたくないなら、もし生活を生気のないしおれたものにしたくないなら、もし空虚に生きて自然崩壊に至りたくないなら、私たちは聖福音に立ち帰らなければなりません。
み言葉への献身なしには、私たちは未来のために小さな残り火さえ守る事ができないでしょう。今行なっている福音宣教の仕事のせいで聖福音に没頭する事に時間をかけないなら、私たちは自分自身と、神へと向かう私たちの仕事を変質させているのです。次の世代の人々に流産や死産のように頓挫してほしくなかったら、聖福音に帰りましょう。聖福音に回心しましょう。聖福音を生きる大胆さを持ちましょう。
聖福音に基づいて私たちの生活とミッションに再び新しい命を吹き込むために、私たちは個人レベル、共同体レベル、協議会レベルで何をしたいと思っているでしょうか。聖福音を大胆に生きるために、最も緊急に変えなければならないのは何でしょうか。 2007年5月、管区長協議会議長団との会議にて。
兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョ
オセアニアSFO全国選挙集会-オーストラリア
オセアニアSFO全国共同体の選挙集会が2007年4月27日から29日までシドニーで開かれ、議長団評議員のルーシー・アルミラネス氏と、SFOへの総補佐の兄弟イヴァン・マティッチOFMが、CIOFS(SFO国際評議会)議長団の名において議事進行役を務めました。
集会には約50人のメンバーと多方面の地区補佐が出席しました。SFOへの全国補佐の兄弟カール・シェーファーOFMが、全国レベルでの霊的・司牧的補佐の現状を、実例を挙げながら説明しました。新しい全国規則のテクストも承認され、今後CIOFS議長団による批准を待ちます。
新しい全国評議会の選挙は4月28日午後に行なわれ、ヘレン・ブリットン氏が全国会長に再選、サンドラ・ティリー氏が国際評議員に選出されました。また、兄弟イヴァンがヤング・フランシスカンについてのレポートの中で、来年シドニーで開催される世界ユースデー(WYD、2008年7月15-20日)の間に同市で開かれるユー・フラ国際会議の準備が順調に進んでいる旨発表しました。
再びエマオへの道の途中で-スペイン
スペインとポルトガルの若い兄弟たちが4月20日から22日にかけての週末に、兄弟ジャコモ・ビニと共にスペインのマドリッドに集まり、小さき兄弟のカリスマと現実に基づいて向き合わなければならない「挑戦と提案」について内省を分かち合いました。集まりでは臨時総集会のメッセージを取り上げました。そして、二度と再び喜びを失う事のないように、本会全体がエマオに-気落ちし疲れた弟子たちが復活された主に二度目に会った地に-戻らなければならないという事が強調されました。
小さき兄弟会は、「宣教する観想的兄弟共同体」と定義する事ができます。この定義には、兄弟であるための三つの要素が重要視されています。それは兄弟性、祈り、そして福音宣教です。この三つのどれかを見捨てる事は、カリスマを完全に廃する事を意味します。このすべてを、刷新という一つの次元に生かさなければなりません。兄弟ジャコモは皆に、市井に生きる人々に聖福音をもたらす事によって、私たちの制度の壁を跳び越えるよう要請しました。
喜びに満ちて兄弟共同体を築くための新たな道と手段を見つけるよう私たちに求めているのは、聖福音です。その共同体は神の聖霊が思いのままにできるように、そして日々新しい命を生み出す事ができるように、己れの空間を守ろうとする教会像をことごとくうち破ります。現在私たちは過度に仕事を抱えた状況に生きています。その事は、兄弟ジャコモが兄弟性に基づいた福音化の中心に据えようとしている刷新の実現のために、私たちが身軽に対応できるようにするのを妨げています。
若い兄弟たちは危険を冒そうという要請を受け入れました。新しい体験は何でも、たとえ束の間の事であっても、決して失敗ではありません。それは体験です。そして一つ一つのあらゆる体験が命の源になります。聖フランシスコは、エジプトのスルタン訪問から何を得たでしょうか。何も得ませんでした!最大の危険は、危険を冒す事ではありません。集まりは、道の途上の昼日なかに差し出された一杯の冷たい水のようでした。兄弟ジャコモはヨーロッパ巡業共同体での生活という、自身の新しいミッションの始まりを分かち合いました。
この新しい共同体は、どこでも呼ばれた土地に出かけていくというミッションのために生まれました。その優先順位の一つは、コンポステラへ向かう巡礼者を迎えるために、「サンチアゴの道」でのフランシスカンの存在を強化する事です。また、新しいヴェガ・デ・ヴァルカルス巡業兄弟共同体を伴って、多言語の兄弟たちから成る国際共同体を作る事も提案されています。 サンチアゴ・デ・コンポステラへの巡礼者の迎え入れ-スペイン 「アシジの聖フランシスコ霊性の場」が6月15日から9月10日まで、今年もまたサンチアゴ・デ・コンポステラのフランシスカン修道院でその扉を開きます。それは「あなたのもとにやってくる人をすべて迎え入れなさい」という聖フランシスコの言葉に従って、サンチアゴ・カテドラル(スペインのガリシア)まで徒歩か自転車で辿り着いた巡礼者を受け入れるために取り置かれた場所の事です。 2006年には10万人を越える巡礼者がカテドラルを通っていきました。イタリアからの巡礼者の大幅な増加が顕著でした。
「霊性の場」は、サンチアゴの道におけるフランシスカンのチャレンジです。修道院の一部分は巡礼者の受け入れに当てられており、彼らが無料で一晩宿泊したり、サンダミアノの十字架の周りでフランシスカン霊性を分かち合ったりする事ができるようになっています。それは司牧の仕事に加えて(巡礼者の多くはカトリックです)、同時にエキュメニズムと諸宗教間対話に(巡礼にはたくさんの他のキリスト教教会の信者や仏教徒も参加しています)、新たな地平を切り開く事でもあります。
受け入れは兄弟たちと、ボランティアの人々や、町に滞在中修道院に居住する人々の助けによって行なわれ、サンチアゴの兄弟共同体と共に生活と食卓を分かち合います。この夏にはその他に、最近設立されたヨーロッパ巡業共同体の兄弟たちやコンヴェンツァルの兄弟1人を含めて、ヨーロッパ各地から10人の兄弟たちがこの体験に加わります。
詳細は下記サイトをご覧下さい:http://www.franciscanos-santiago.org/ (albergue conventual para peregrinos cristianos”) または下記アドレス宛にメールをお送り下さい:pacocastro@hotmail.com.
SFOの養成講座と訪問、選挙集会-モーリシャス島
モーリシャス島・レユニオン島・マダガスカル島のSFO-フランシスカン・ユースと兄弟姉妹、在世フランシスカンのための養成講座が、2007年4月13日から19日までモーリシャス島ローズヒルのフォイヤー・フィアト修道院で開かれました。講座は地元の霊的補佐を務める兄弟レネ・クーターニュOFMと兄弟クリシュナ・ラムザミOFMの支援を得て、モーリシャス島SFO全国評議会とCIOFS(SFO国際評議会)議長団が主催しました。
4人の兄弟たちと14人のマリアの宣教者フランシスコ修道会姉妹たち、12人の在世フランシスカン、2人のユー・フラ代表、それに1人のルワンダ在世フランシスカンが講座に参加しました。マダガスカルの新任全国補佐の兄弟ロジャー・エメ・ラベンマハファリOFMも出席しました。
講座はCIOFS議長団の名の下に出席した議長団評議員のベネデット・リノ氏とSFOへの霊的総補佐の兄弟イヴァン・マティッチOFMによって活発化されました。
4月20日にはモーリシャス島SFO全国評議会の司牧的で兄弟的な訪問が行なわれ、翌4月21-22日には約80人の会員の出席の下に全国選挙集会が開かれて、テレーズ・スーバロエン氏が全国会長及び国際評議員に選出されました。
土地に根づく開花-アンゴラ
アンゴラ人で初めての小さき兄弟が二人、今年6月に荘厳誓願を立てます。アンゴラでのミッションには荘厳誓願を宣立した12人の兄弟(ブラジル人11人とコロンビア人1人)がいて、新たにこの二人の兄弟が加わります。 共同体は4人の志願者と約20人の入会希望者がおり、法的にはブラジルの無原罪の御宿り管区に従属しています。
「アシジの聖フランシスコ:福音宣教と神学」賞
教皇庁立聖アントニオ大学は、「アシジの聖フランシスコ:福音宣教と神学」賞を設立しました。この賞は、フランシスカンの特質について以下のテーマを扱った学術刊行物に授与されます:聖書、神学、法律、哲学、小さき兄弟会の歴史、聖福音の価値、修道会の法制における基本的権利、教会の教導職の公文書に照らした新三千年期の諸問題における結婚生活と家族。
出版物は最低50,000語以上、大学総長宛てに2008年11月30日必着で、聖アントニオ大学の学術的権威の制定した委員会によって審査されます。詳細は下記まで:http://www.antonianum.ofm.org/
対話の奉仕
本会の対話の奉仕委員会は総理事会の承認を得て、イスラム教徒が大多数の国々と、かなりの数のイスラム教徒が少数派として生活する国々におけるフランシスカンの存在についての会議を準備しています。会議は2007年9月18日から21日まで総本部で開かれます。
これは1982年にアシジで開催された、イスラム教徒の中で生きるフランシスカンたちの最初の会議から25周年、1997年にサラエボで開かれた前会議から10周年記念の機会を生かしたもので、諸宗教間対話の分野で3年期の始めに定められた目標の一つとなっています。詳細は兄弟ミゲル・ヴァレシッリョ下記アドレスにお問い合わせ下さい:Br. Miguel Vallecillo: mvallecillo@ofm.or
お知らせ:世界のあちこちから
²権威と従順の間のフランシスカンたち:ローマの教皇庁立聖アントニオ大学フランシスカン霊性研究所は、2007年4月27日に例年どおり「研究の日」を行ないました。テーマは「権威と従順:奉献生活とフランシスカン家族における実際的討議」でした。
²イタリア「聖痕の聖フランシスコ」管区の兄弟マウリツィオ・ファッジョーニは、2007年5月16日教皇ベネディクト16世によって内赦院裁判所顧問に任命されました。
²アシジ-2007年ヨーロッパの若者たちの集い:ヨーロッパの小さき兄弟たち(UFME)は、アシジのフランシスコが今も私たちのゆく道を照らし、現代の人々の心に希望を与える事ができると確信して、ヨーロッパ大陸のフランシスカン・ルーツを見出すための出会いに、18歳から30歳までのヨーロッパの若者を招いています。詳細は下記ウェブサイトに掲載中です:http://www.assisi2007.org/
新任管区長
·兄弟ヴィトール・ホセ・メリシアス・ロペス、ポルトガルのモロッコ聖殉教者管区長に選出。·兄弟パオロ・ファンタッチーニ、イタリア「聖痕の聖フランシスコ」管区長に選出。·兄弟ノルベルト・プログマン、ドイツ聖十字架管区長に再選。·兄弟ハドリアン・W・コッホ、ドイツ聖エリザベト管区長に選出。·兄弟イヴァン・セザール、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ聖母被昇天管区長に選出。·兄弟フランチェスコ・ランツィロッタ、イタリアのカラブリア「七人の聖殉教者」管区長に選出。·兄弟アゴスティノ・エスポジト、イタリア「イエスの聖心」管区長に選出。
総長の予定
·6月1日-5日 フィリピン「洗礼者聖ペトロ管区」訪問。
·6月9日-13日 ペルー「聖フランシスコ・ソラノ」管区訪問。
·6月17日 教皇ベネディクト16世の司牧的訪問にアシジで会談。
·6月18日-22日 アシジとローマで総理事会とOFM枢機卿・司教の会議。
·6月25日-27日 ポーランドのカルヴァリで、北スラブ協議会から初期養成中の兄弟たちと会合。
·6月29日-30日 聖地で総理事会と共に、本会の若い兄弟たち向け幕屋の集会の祝い。
2007年:大胆に聖福音を生きよう!
私たちは2007年の間、創立の恵みの精神の内に大胆に聖福音を生きるよう求められています。そして特別な方法で、フランシスコと、イエスの弟子を宣教に派遣する聖福音のテクストとの出会いを思い起こします。「私たちはどこへ行くのでしょうか」。私たちの生活とミッションの計画に照らして、具体的で預言的な選択に向かって。技術的な活動よりもむしろ生活と福音宣教のプロジェクトの綿密な仕上げの方が、個人的・共同体的な識別の実践となります。それは保守主義的あるいは実用主義的な態度を回避した、希望の雰囲気を前提とします。計画を立案するという事は、現在の状況に創造的である事、そして未来に向って開かれている事です。それ故、共同体の内的及び外的現実を心に留めつつ、信仰とカリスマに基づく体験の光に照らして、時のしるしの読み方と解き方を知る事が必要です。識別から、浅薄な或いは息苦しい理想主義無しに、私たちの福音宣教を福音的生活の質の内奥に定着させる決断と志向が生まれます…。「存在と証しの未知の道を始める勇気」や、「より大きく重い決断をして辺境と底辺の場を選択するために、幾つかの社会的・教会的状況を断念する勇気」が、私たちに求められるかもしれません。そしておそらく私たちは、様々な異なる存在と形をとりながらも、常に兄弟性と教会的な交わりという一つの道の途上にある私たちの生活と福音宣教について、グローバルな見直しをする事も求められるでしょう。
日本管区ニュース
5月のゴールデンウィークに瀬田修道院で開かれた管区主催の生涯養成コースは2004年5月に始まって5回目のものでした。テーマは2009年の会創立800年の準備で、全5回86名の兄弟たちが参加しました。公文書の分かち合い、体験の分かち合い、7連のロザリオ、江戸の殉教者の巡礼等、ゆったりした時間を兄弟的交わりの中で私たちの召命とミッションを再確認しました。
6月11-13日、世代別の集い(70才以下の兄弟の集い)が瀬田修道院で開かれました。これは、11月に開かれる管区会議の準備として企画されたもので、2006年4月になされた「これからの福音宣教」のアンケート分析結果と9月の臨時総集会の成果を元に話し合い、管区の優先課題を提案しました。7月には同じテーマで「71才以上の兄弟の集い」を企画しています。
総視察者として総長から任命されたフィリピン管区の兄弟バルタザル・オビコは6月10日に来日しました。翌日から瀬田での「70才以下の集い」に参加し、引き続き公式訪問を始めました。7月末まで日本各地の兄弟たちを訪問し、11月の管区会議の準備を押し進めます。