2010年1月号

教皇庁立聖アントニオ大学講堂の落成式

2003年の総集会は教皇庁立聖アントニオ大学の大講堂(アウラ・マグナ)について、内部的な目的のためだけでなく外部のイベントにも使用できるように建て直す旨の決定をしていました。国側から必要な許可を得るのに相当の時間と労力を費やさなければなりませんでしたが、その後3年を越える工事を経て当初の目的が実現され、2009年12月21日に落成式が行なわれました。

clip_image002落成式の夕べはRAI(イタリア放送協会)によって放映されました。またクリスマス期間には別の形で報道がありました。それは70分の番組で、俳優たちと兄弟たちが交互に登場し、俳優がフランシスカン資料集からの抜粋を朗読、兄弟たちがギニア・ビサウのクムラ・ハンセン氏病療養所やカザフスタンの聖櫃の村での体験を分かち合うものでした。兄弟エリジオ・ジェリミニによる共同体「モンドX」の紹介や、他の体験の分かち合いもありました。

本会JPIC活性化委員会の会議

本会のJPIC(正義と平和と被造物の統合)活性化委員会は昨年10月26日から30日まで、ローマで会議を開きました。会議の主な目的はこれから6ヶ月間の直線プログラムの作定と、2010年2月21日から27日までボリヴィアで開かれる国際会議の準備でした。その結果2009年総集会の総括文書「福音の賜物の使者」に基づく今後半年間のプログラムが、総理事会の11月の会議に提出されました。私たちの総括文書は本会の全ての共同体にJPIC担当室の支援に関わるよう勧めています。次回のJPIC講座は2010年4月13日から23日までローマの教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)で開かれます。詳細は下記サイトをご覧下さい:http://www.ofm.org/ofmnews/?p=2625

マリア学アカデミーの50年

福者・教皇ヨハネ23世は1959年12月8日、自発教令によって国際マリア学clip_image004アカデミーに「教皇庁立」の資格を認めました。同アカデミーは1946年兄弟カルロ・バリッチによって「フランシスカン・マリア学委員会」として創設され、現在は世界中の専門家が集うマリア学の教皇庁立学術機関となっています。この記念日を祝って昨年12月20日にコンサートが開かれ、その後総長の司式による聖体祭儀が行なわれました。詳細は下記サイトに掲載中です:

http://www.accademiamariana.org/

総長が上長連合の執行委員会メンバーに再選

総長は上長連合(USG)の半年毎の会議においてUSG執行委員会メンバーに再選され、これからさらに3年の任期を務めます。USGには220の男子修道会が所属しています。総長は同連合の神学委員会議長に任命され、さらに奉献・使徒的生活会省と共に奉献生活関連の問題に取り組む委員会(16人で構成)のメンバーにも任命されました。

ミラノでの800周年記念祭-イタリア

ミラノでの会則認可800周年記念祭は教会と市民のすべての共同体にとって、フランシスコとその兄弟たちの姿とメッセージを巡る、内省と協働の道具となりました。祝祭の初めは共に祈りと黙想の時を過ごす事でした。それはすべてのフランシスカン家族の構成員に向けたもので、始めに聖痕の祝い日の前夜の祈りが聖アンジェロ教会で行なわれました。そして2009年10月2日には聖フランシスコの祝い日を控えて、聖アンブロジオ聖堂でミラノ大司教のディオニギ・テッタマンツィ枢機卿の司式によるロンバルディアの司教たちとの共同執行の聖体祭儀が行なわれました。それはフランシスカン家族と地元教会の絆を示すだけでなく、8世紀間に亘ってミラノ市及びロンバルディア地区全域にフランシスカン家族の蒔いてきた善き種に対する、地元教会の感謝の表れでもありました。枢機卿の説教の後、第一会のフランシスカン家族の代表が教会に奉仕する心を表すために、大司教の手の中に誓願を更新しました。

その間にミラノのカプチン美術館では、一年を越える準備を経て第一会のフランシスカン全員と他の様々の分野の専門家たちの主催する展覧会が開かれました。この展覧会は2009年11月29日から2010年3月21日まで一般に公開され、聖フランシスコの裁可会則のテクストが絵画や写本、昔の印刷物などの芸術作品を通して展示されます。それらはロンバルディアのフランシスclip_image006カンの受け継いできた遺産の一部です。中でも聖フランシスコを描いたチマブーエ作とされる有名な絵画は、今回初めてポルツィウンクラ美術館からミラノにやってきました。

一連のプログラムを完結させるために2010年1月30日、「初期フランシスカン兄弟共同体と、ロンバルディア全域におけるその発展と広がり」に関する研究会議がミラノ・アンジェリクム文化センターで行なわれます。兄弟チェーザレ・ヴァイアーニOFMや兄弟ルイジ・ペレグリーニOFMCapを始め、国立ミラノ大学とミラノ・カトリック大学の教授陣が発表します。

フランシスカン・カリスマの800周年記念祭-フランス

フランスのフランシスカン家族はフランシスカン・カリスマの誕生800周年記念を祝うために様々のイニシアティブを推し進めてきました。その最新のイベントとして「今日のアシジの聖フランシスコ」と題する国際シンポジウムと、ルルドでの大規模な全国集会が挙げられます。

まずシンポジウムは2009年10月2日から4日までパリのベルナルディノ大学で開かれ、多数の思想家や知識人、中世研究家を含むおよそ300人の出席者がありました。そしてパリのノートルダム大聖堂補佐司教のモンシニョール・ジェローム・ボウの司式による、聖フランシスコの祝い日の荘厳な祭儀をもって成功裏に終了しました。

また全国集会はルルドで10月24日から26日まで開かれ、フランス、ベルギー、スイスの全フランシスカン家族から2,000人を超える人々が参加しました。その内の200人はフランシスカン・ユースに所属する若者たちでした。どちらのイベントでも総長のメッセージが読み上げられました。両イベントについての詳細は、ウェブサイトwww.ktotv.com 及びwww.franciscains.frをご覧下さい。

フランシスカンの4つの会則に関する研究デー-ポーランド

聖フランシスコの原始会則認可800周年記念を祝って2009年11月21日、フランシスカン会則の養成と司牧の側面について考察する研究デーが、ワルシャワの「東欧・北アジア」フランシスカン・センターで開催されました。題は「これこそ主イエス・キリストの聖福音に従う私たちの会則であり、生活です」でした。

当日は講演と円卓会議に加え、「聖フランシスコの精神を生きよう」という題の映画の上映がありました。講演は以下の5つでした:(1)「会則-カリスマの評価か公式化か」ルブリン・カトリック大学教授のSr.テレサ・パスコフスカ、(2)「アシジの聖クララの生活様式に照らした原始会則」ローマPUA教授の兄弟ウィスラフ・ブロックofmcap、(3)「第一会と第二会の会則:その起源と独自性」クラクフの兄弟アンドレイ・ザヤッチofmconv、(4)「律修第三会と在世フランシスコ会の会則:その特質と歴史及び今日的意義」ルブリン・カトリック大学教授の兄弟ローランド・プレイスofmcap、(5)「4つのフランシスカン会則の共通要素と現代におけるその実現化」アヴィニヨンの兄弟タデー・マトゥラofm。円卓会議では、2つの問題すなわち「聖フランシスコの会則を『単純に何の傍注も加えずに』理解する事は今日なお可能か」と、「フランシスカン的ラディカルさを現代世界にどのように示すか」というテーマに取り組みました。映画は上映時間20分の作品で、聖フランシスコの書き物とアシジでのヨハネ・パウロ二世の講話にインスピレーションを得て兄弟シルヴェスタ・ヤションキエヴィッツによって製作されました。

この研究デーはポーランドのフランシスカン管区長協議会(OFM5人、OFMConv3人、OFMCap2人)の後援を受け、3つのフランシスカン・センター(OFMワルシャワの「東欧・北アジア」フランシスカン・センター、OFMConvウージ・ラギエフニキ・フランシスカン研究所、OFMCapザクロツィムの「Honoratianum」霊性センター)によって主催されました。およそ70人の参加者の内の大多数は養成の責任者で、フランシスカン・ユースを含めポーランドにおけるフランシスカン・ムーブメントのすべての部門を代表していました。

本会創立800周年記念の会議-オーストラリア

オーストラリアのメルボルン郊外ボックス・ヒルにあるヤラ神学連合で2009年11月19日から21日まで、フランシスカン・カリスマの誕生800周年記念を祝って「多宗教社会における聖フランシスコと聖クララの意味を解く:中世から現代へ」と題する会議が開かれました。 およそ100人が出席し、ジャック・デラルン教授を始め兄弟マイケル・クサト、兄弟モーリス・カルモディ、クララ会のSr.ブリージュ・オハラなど国際的な専門家が中心的な発表をしました。

会議は様々の面で注目に値いするものでした。まず、発端となる最初のアイデアが、信徒であるコンスタンツ・ミューズ博士(ビクトリア州立モナシュ大学の宗教・神学研究センター長)とクレア・レンキン博士(ヤラ神学連合の芸術・霊性史講師)から出されたという事です。会議はこの二つの学術組織の主催で、オーストラリア聖霊管区の財政支援と、その他の支援組織の寛大な寄付によって実現しました。

また、会議は何世紀にも亘るフランシスカン歴史の偉大なテーマを考察しつつ、その一方で現代に具現化されているフランシスカン・カリスマについても注目しました。フランシスカンの知的伝統について、神学・霊性・芸術・詩、そして現代のフランシスカン的・クララ会的生活の生きた手本までを含む様々な角度から多面的な発表が行なわれました。

管区長の兄弟ポール・スミスは管区の兄弟たちに宛てた手紙の中で「会議は実に800周年記念を締め括るにふさわしいものでした」と述べ、皆の共通の思いを要約しています。

SFOとユー・フラの全国集会-中央アフリカ共和国

中央アフリカ共和国のSFO全国選挙集会とフランシスカン・ユース(以下ユー・フラ)の幕屋の集会が2009年11月19日から26日まで、首都バンギ市で開かれました。同国SFO共同体はちょうど誕生50周年を迎えていました。

集会の前にSFOとユー・フラに向けた養成講座がありました。様々の準備と実行のために霊的補佐の三人の兄弟たち-SFO全国補佐の兄弟アリスティーデ・ンゴトOFMCap、SFO地区補佐の兄弟トゥサイン・ゾウマルデOFMCap、同じく地区補佐の兄弟タデー・クシーOFMから大きな支援が寄せられました。

またSFO国際評議会(CIOFS)議長団の代表としてSFO会長のエンカルナシオン・デル・ポゾ氏、フランス語議長団評議員のミシェル・アルトメイエ氏、ユー・フラ代表のエリザベス・コレット氏、SFO/ユー・フラへの総補佐の兄弟イヴァン・マティッチOFMが出席し、全員が会議の間あらゆる養成の機会に貢献しました。

聖フランシスコの書き物の新しい本文校訂版が完成

総長と総理事会は2005年、トレント管区(イタリア)の兄弟カルロ・パオラッツィとグロッタ・フェラータの聖ボナヴェントゥラ大学のメンバーに、聖フランシスコの書き物の新しい本文校訂版の作成を委託しました。それは本会創立800周年に向けた記念のためでした。長期にわたる献身的な取り組みの末、兄弟カルロはこの度その作業を完了しました。

新版は2009年12月にラテン語/イタリア語版が刊行され、引き続きラテン語/スペイン語版とラテン語/英語版が出版されます。題は「Francisci Assisiensis Scripta」(アシジのフランシスコの書き物)で、(1)「賛美と祈り」、(2)「手紙」、(3)「会則と訓戒」の三部に分かれており、巻末に補遺として「書き取られた言葉」と散逸書簡が載せられています。

テクストはグロッタ・フェラータの聖ボナヴェントゥラ大学論叢2009年版(Editiones Collegii S. Bonaventurae ad Claras Aquas, Grottaferrata, Rome, 2009)に掲載されます。

お知らせ-世界のあちこちから

*トレントで「第一会の日」の祝い:イタリアのトレントで2009年11月30日、教皇インノセント3世による本会の会則認可800周年記念の祝いが行なわれました。当日朝70人の兄弟たち(小さき兄弟、カプチン、コンヴェンツァル)が聖ボナヴェントゥラ修道院で一堂に会して、祈りと内省、そして「私たちの会則:生活様式はなお今日的意義を持つか」というテーマで分かち合いをしました。出席者は兄弟ジャコモ・ビニの証しに取り組みました。総長はその内省の中で、今もなお重要な意義あるものとして会則の再読を助けると共に、私たちが兄弟共同体として生活の根本的次元(福音的ラディカルさ、観想、連帯、ミッション)を生きるよう要請しました。さらにローマのパレストリーナの共同体と生活する自身の体験を語り、恐れずに人々の只中へ出ていくよう熱心に説きました。

*第6回エキュメニカルと諸宗教間対話の生涯養成講座-イスタンブール:対話の奉仕委員会は福音宣教総事務局と協働で、小さき兄弟たち及び関心を持つすべてのフランシスカン家族メンバーに向けて、エキュメニカルと諸宗教間対話についての生涯養成講座をイスタンブールで開きます。使用言語は英語とフランス語です。期間は2010年10月18日から29日まで、テーマは「フランシスカン・カリスマにおける対話の養成」と、「エキュメニカル、イスラム教とキリスト教、ユダヤ教とキリスト教との間の対話」です。また講座中の活動の一つとして、「黙示録の教会」の地を訪れる3日間の見学旅行が予定されています。受講費は500.00ユーロです。受講を希望する兄弟は、担当責任者の兄弟ルベン・ティエラブランカのアドレスrtierrablanca@ofm.org 又はファクス +90-212-2432791にお申し込み下さい(詳細問い合わせも同様です)。

締め切りは2010年7月31日必着です。先着20名に受講が認められ、詳しい講義要綱が送付されます。早めに申し込みましょう!

なお、同じ講座がイタリア語とスペイン語で2011年10月17日から29日まで開講される予定です。

*南アジア・オーストラリア・オセアニア協議会(SAAOC)開催:SAAOCの年次会議が2009年11月4日から7日まで、ニュージーランドのオークランドの聖フランシスコ黙想の家で開催されました。SAAOC議長の兄弟ポール・スミスが、協議会の13の共同体の大部分を代表する14人の兄弟たちを迎えて歓迎の挨拶をしました。出席した兄弟たちはオーストラリアを始めインド、インドネシア、パプア・ニューギニア、西パプア、シンガポール/マレーシア、スリランカ、タイ、ニュージーランドで働いています。パキスタンの分管区長と東チモール宣教地区長は、ビザの問題で残念ながら出席する事ができませんでした。新しくアジア総理事に着任した兄弟パスカリス・ブルーノ・シュクルOFMは温かく会議に迎えられました。兄弟シュクルは発表の中で総集会の呼びかけを繰り返し、福音化するミッションに照らして総集会の勧めに基づいた働きの計画を立案するよう、兄弟たちに促しました。会議は「福音宣教事務局とJPIC担当室、養成事務局の間の統合的な方法論を発展させよう」という提議を承認しました。2010年の末までにタイで開かれる予定の次回会議に向けて、計画が進行中です。

OFM日本管区ニュース

1)誓願金祝:2月5日(金)六本木修道院で11:00から誓願金祝ミサ&祝賀会。兄弟武田三明、兄弟福田勤、兄弟谷津良勝、兄弟フーベルト・ネルスカンプの四名。

2)全国侍者会:3月25-27日 (瀬田修道院&田園調布修道院)

3)叙階式:3月27日(土)兄弟新直己の司祭、兄弟元田勝哉の助祭叙階式。田園調布教会。11時から。