2010年2月号

ハルツームに初めてのOFM修道院-スーダン

clip_image002アフリカ大陸最大の国スーダンの首都ハルツームに、最初のOFM修道院が建てられる事になりました。2年前から同地には、兄弟共同体が地元司教から町外れの貧しい住まいを借り受けて生活しています。兄弟数は全部で5人で、スーダン出身者が3人(ピーター、ジョン、チャールスの各兄弟)、エジプト出身者が1人(兄弟マグディ)、フィリピン出身者が1人(共同体院長の兄弟メリト)です。兄弟たちは完全にイスラム教に囲まれた環境の中で、南部に長年避難しているキリスト教徒に奉仕します。そしてこれらのカトリック教徒のために2つの小教区教会、13の司牧センター、6つの学校で、社会的にも信頼された活動根拠地を確保しています。総長は現地の兄弟たちへの愛と親密さのしるしとして、兄弟会全体を代表して2010年2月スーダン宣教地区を訪問します。スーダン初の修道院の建設工事は2010年1月に開始されており、本年の聖フランシスコの祝い日の前に完了する予定です。

ハイチの大地震-支援求む

この短いメッセージを通して、私は本会の兄弟の皆様全員にハイチ地震の被災者への経済的支援をお寄せ下さるようお願い致します。本会の諸管区長及び分管区長は限りなく寛大な心をもって、総本部の総会計部宛てに御寄付下さい。皆様からの義捐金は同部からハイチの兄弟たちに送られます。聖体祭儀において祈りと共に、主のみ前にハイチの兄弟たちのすべての悲しみと苦しみを捧げます。主があらゆる善きことをもって皆様を祝福し、慰めて下さいますように。

総長 兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョ

寄付金は「ハイチ地震被災者支援」と銘記の上、下記口座にご送金下さい:

銀行:Banca Popolare di Sondrio – Roma – Sede
振込先:OFM FONDO SOLIDARIETÀ SAN FRANCESCO
小切手:000005300X66
Iban:IT95L0569603211000005300X66
Swift:POSOIT22

列聖省の省令公布

教皇ベネディクト16世は2009年12月19日列聖省に対して、小さき兄弟会列福・列聖手続き担当総申請部に委託されていた以下の列福と列聖に関する省令の公布を認可しました:

① 福者ヴァラノのバッティスタ:そのとりなしで一つの奇蹟が起きた事により列聖。クclip_image004ララ会荘厳誓願宣立の修道女。1458年4月9日イタリアのカメリノ生。1524年5月31日同地で帰天。

② 福者ビテットのジャコモ・イリリコ:英雄的徳により列聖。小さき兄弟会荘厳誓願宣立のブラザー。1400年クロアチアのザラ生。1496年イタリアのビテットで帰天。

③ 神の僕ジェス・ファロルリのマリア・キアラ・セラフィナ:英雄的徳により列福。「秘蹟のクララ宣教者フランシスコ修道会」創始者。1853年10月7日イタリアのトッシニャーノ生。1917年6月18日同国バリア・ディ・ベリノロで帰天。

神の僕アントニア・マリア・ヴェルナ:英雄的徳により列福。「無原罪の愛の姉妹修道女会」(イヴレア呼ばれる)創始者。1773年6月12日イタリアのパスクァロ・ディ・リヴァロロ生。1838年12月25日同地で帰天。

clip_image006⑤ 神の僕ジュニオ・ティナレッリ:英雄的徳により列福。信者で「十字架の声なき労働者ピオ連合」メンバー。1912年5月27日イタリアのテルニ生。1956年1月14日同地で帰天。

聖地特別分管区の定期刊行誌が発行70周年

聖地特別分管区の定期刊行誌「聖地」は、様々の言語で発行されています。その中でアラブ語版は「As Salam Wal Kheir」(平和と善)と題されており、特に典型的なフランシスカン精神が表れています。アラブ語版の発行は聖地に暮らすギリシャ及びラテン式典礼のカトリック教徒に向けて、1940年に始まりました。現在の発行部数は200部で、現地に存在する信者の数と比べて決して少ない数ではありません。

フランシスカン新刊の栞

*クリストバル・ソラレス著「マルティン・ブーバーの人間学」(原題L’antropologia de Martin Buber)。プントパーチェ、2009年。全235頁。

自分自身を知る事は、知識に付加されるものとして解釈されるものではなく、理論的なもの、あるいは純粋な知的好奇心として解釈されるものでもありません。それは人間の務めであり、緊急で本質的な責務でもあります。そして究極のところそれは人間と無限である方との関係という大きな問題に向き合う事に他なりません。ブーバーは直接的にこの課題に取り組みます。マルティン・ブーバーは本質的には宗教思想家で、人間の豊かで複雑な体験を解明して伝えるために哲学用語、中でも特に現象学の術語を使用しています。

clip_image008*M・メロン監修・パドゥアのアントニオ「光の中を歩む。典礼年のための説教選集」(原題Camminare nella luce. Sermoni scelti per l’anno liturgico)。パウロ出版、ミラノ、1999年(2009年?)。全371頁。

アシジのフランシスコが回心と勧告という形の説教にうちこんだように、アントニオも自身の教養を道徳の説教に役立て、古典的な4つの認識力に基づいて聖書を解釈する事に献身しました。この事により、アントニオは13世紀のスコラ神学よりも12世紀の修道院神学により近い人となりました。本書は未発表の事柄の公表書であるばかりでなく、系統立った学術研究書と言えます。

お知らせ-世界のあちこちから

聖アントニオ大学の研究デー:聖アントニオ大学及び理事長の祝い日の2010年1月15日、「中国における福音-モンテコルヴィノのヨハネの司教叙階700周年」をテーマとする研究デーが開かれました。その終盤に聖フランシスコ賞の授与式があり、第1位は兄弟ベネディク・H・メルテンスが著作「熾天使的隠遁生活」の業績により受賞、第2位は兄弟パリゾーリ・ルカが著作「アレキサンダー大全とフランシスカン政治哲学の誕生」により受賞しました。詳細は下記サイトをご覧下さい:http://www.antoniano.org

「聖フランシスコとサルタン」についての研究デー:トスカナの「聖痕の聖フランシスコ」管区はローマの教皇庁立聖アントニオ大学の中世及びフランシスカン研究高等研究所と協働で2010年9月25日土曜日、「聖フランシスコとサルタン」というテーマの研究デーを主催します。場所はフィレンツェの聖フランシスコ修道院ラウデス・ホールです。e-mail: sssmf@antonianum.eu

聖アントニオ大学でJPIC講座開催:JPIC(正義と平和・被造物の統合)講座が2010年4月13日から23日まで聖アントニオ大学で開かれます(本会JPIC担当者は1日多く4月24日まで)。従来どおり講座はイタリア語、英語、スペイン語の3カ国語で行なわれ、最初の5日間は午後中JPICの神学的基礎に集中します。午前中はJPIC担当者のために取り置かれます。最後の4日間は午前と午後を通して「平和の構築と争いの解決」というテーマに専念します。いつものように講座はすべての兄弟、修道者、信者の皆様全員に開かれています。詳細はメールアドレスpax@ofm.orgをご覧下さい。

フランシスカン哲学思想:スペインのヴィスカヤにあるLIBER出版修道院は、世界哲学思想史全6巻の大作を刊行しました。第2巻は中世哲学で、教皇庁立聖アントニオ大学哲学科教授の兄弟ホセ・アントニオ・メリノ執筆により100ページ以上がフランシスカン哲学思想に当てられています。哲学思想の全般史においてフランシスカン哲学思想にこれほど大きなスペースが与えられるのは、初めての事です。フランシスカン哲学思想は真正なフランシスカン霊性の表れであるばかりでなく、関係の人間学と、現代哲学に広く行き渡ったヒューマニズムとに霊感を与え鼓舞し続けています。

フランシスコ会とドミニコ会の誕生についての教皇のカテキズム-2010年1月13日の一般謁見にて:「フランシスカンとドミニカンはその創立者の足跡を辿って、教会から離れずに聖福音の真理である福音的貧しさを生きる事が可能であることを実証しました。そして教会が聖福音と聖書の真正な場であり続けることを示しました。このようにしてドミニカンとフランシスカンはまさに教会及び歴代教皇との深い交わりから、その証しの力を汲み上げてきました。托鉢修道会は中世に大きく重要性を増し、労働団体や当時の同業組合、民間当局のような一般の組織がしばしばこうした修道会のメンバーを頼って霊的相談に訪れ、規則の作成や、時には自分たちの内部的・外部的な対立の解決を依頼するようになりました。フランシスカンとドミニカンは中世都市の霊的リーダーとなりました。偉大な直観をもって、彼らは社会の変容に適応した司牧の方法を実践したのです。親愛なる信者の皆様、中世の諸大学に広く行き渡ったフランシスカンとドミニカンの献身は、人間とその尊厳と永遠の運命についての根本的な諸問題を照らす福音の光を、敬意と信念をもって提示するために、私たちを入念な学びの場に存在するようにと促し招くものです。中世におけるフランシスカンとドミニカンの役割と、彼らが起こした霊的刷新、彼らが世界に伝えた新たな生命の息吹について思索し、ある修道者は言いました:『当時、世界は老いつつありました。二つの修道会は教会から生まれ、あたかも鷲のように教会を若返らせたのです』(Burchard d'Ursperg, Chronicon)」。

詳細は次のアドレスを参照下さい:http://www.zenit.org/

OFM日本管区ニュース

1)新修練者:3月20日(土)さいたま修道院(修練院)。晩の祈りの中で修練期を始める兄弟持田隆浩の着衣式があります。

2)新志願者受入式:3月21日(日)田園調布修道院。晩の祈りの中で新しい志願者3名の受入式があります。

3)全国侍者会:3月25-27日、瀬田&田園調布修道院。

4)叙階式:3月27日(土)兄弟新直己の司祭、兄弟元田勝哉の助祭叙階式。田園調布教会。11時から。

5)Website:OFM-Jのホームページをリニューアルしました。