10月号

10月4日 聖フランシスコの祭日

「私の主をほめ、称えなさい。主に感謝し、深くへりくだって、主に仕えなさい」(太陽の歌)。 私たちの熾父聖フランシスコの祝い日を楽しみましょう!

謙遜して献身的に生きる

対話の奉仕委員会は2007年9月18日から21日まで総本部で、イスラム教徒が多数を占める国々における私たちの存在についてセミナーを開きました。本会の様々の共同体から24人の兄弟たちが参加しました。
「フランシスカン宣教者-とりわけイスラム教徒の中に生きる者は、キリストへの忠実を土台にして、力も時間も惜しまずに限りなく、自分を完全に与える者です;無償で尽くす者です;自身の所有するものは何もなく、すべては神から受けた賜物であってそれ故お返ししなければならないものであると知り、賜物の論理を極限まで生きる者です;絶えず自己を脱して、自分とは異なる人々や他者に会いにゆく者です(主は道々私たちに話して下さる19-25参照)。フランシスカン宣教者-とりわけイスラム教徒の中に生きる者は、キリストの説いた山上の垂訓を生活の土台にして、生活による対話と辺境の地での存在を選び、『彼以外に全能の神はましまさない』(全兄弟会にあてた手紙9)ことを証しする者です」。(総長 兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョ)

アンダー・テンの兄弟たち:証し

聖地で行なわれた若い「アンダー・テン」(荘厳誓願宣立後10年未満)の兄弟たちの会議終了後の、証しの一つを読んでみましょう:

フランシスコは働きました。そして、すべての兄弟たちにも働くように求めました。労働はそれ自体が目的なのではなく、聖福音を生きる中でその意味が見出されます。兄弟たちをただ単に働くフランシスカンとしてではなく、聖福音を生きる人として見る事が、「アンダー・テン」の兄弟たちの幕屋の集会の間、私にとって理解の鍵となりました。

フランシスカン生活をこのように見る事で、「労働」は聖福音を生きる事の結果として捉えられます。総長が強調されたとおり、福音的な生活は健全な生活です。健全な生活すなわち聖福音を生きる事には、自身の身体と魂と精神への気の配り方や、私が日々の仕事の中で公的に行なう事だけでなく私的に行なう事も含まれます。聖福音を生きる中での兄弟たちの努力や希望に耳傾ける事で、私は自分が一人だけで歩いているのではなく一人だけで努力しているのでもないという確信と、多くの喜びとを得る事ができました。

どこでも至る所で、聖地特別分管区の兄弟たちはあふれるばかりの好意ともてなしの心で私たちを迎え入れてくれました。会議が終わる頃には、私にはもう自分がアジア・オセアニア地域の代表でオーストラリアの聖霊管区の一兄弟だという感覚はなく、自身の母管区に対してと同様に聖地特別分管区やコロンビア管区、オーストリア管区・・・と一体になっていると感じました。

気に入ったもの?土地や様々な音、匂いや鐘の響き、兄弟共同体、それにフランシスカン世界の全ての協議会からやってきた兄弟たちと知り合えた事です。嫌だったもの?暑さと言葉の壁、時間の短さ、他のたくさんの聖所を見られなかった事、土地の人々に会えなかった事でしょうか。好ましかった事もそうでなかった事も共に、本会に対する自覚とこの世界への私たちの呼ばれ方に対する自覚を、建設的に深めてくれました。

どんなメッセージを最もよく覚えているか?単純にこの事です:「福音的な生活はよき生活で、それは私が生きたいと望むものです。(オーストラリア・ニュージーランド聖霊管区、ポール・ガーネム)

ペルーの地震

ペルーは8月15日強い地震に襲われて死者519人、負傷者1,700人の被害を受け、ピスコ市の70%が倒壊しました。イカの聖フランシスコ・ソラノ管区修道院は深刻な被害を受けましたが、小さき兄弟たちは負傷を免れました。両管区の兄弟たちは「フランシスカン・ミッションセントラル」と協働して、特に災害被害者の健康面での救援に当たりました。現在フランシスカン・ファミリー全体でプロジェクトを準備しています。総長は兄弟たちに宛てた手紙の中で、被災者のためのプロジェクトに経済的連帯を約束しました。義捐金はペルー地震支援の旨を明記の上、総本部宛にお送り下さい。

フランシスカン・マーチ2007

今年もまたCOMPI(イタリア管区長協議会)の「召命の司牧担当者委員会」は、ポルツィウンクラの祝い(2007年7月25日-8月4日)に際して、若い人々のために「フランシスカン・マーチ」を主催しました。このイニシアティブは今年で第27回を迎え、イタリアの全管区やヨーロッパ各地からやってきた約1,350人の若者たちが、8月2日に全員到着しました。イタリア人と共に250人のクロアチア人、50人のオーストリア人、30人のアイルランド人が一緒に歩きました。行進のテーマ「歩みはゆるしとなる」は、イスラエルの民の出エジプトの、古くまた常に新しい体験と共に、若者が巡礼者となるのを助ける事が目的でした。

若者たちは天使の聖母聖堂前の広場で、祈りと静修の熱のこもった雰囲気の中、彼らが神の愛に触れられるようにと招いた本会総長の兄弟ホセ・カルバッリョに迎えられました。そして免償の祈りの後、「慈しみ深い御父」に会う喜びの中で皆が伝統どおりポルツィウンクラを通りました。続いてウンブリアの担当者兄弟たちが音頭をとって、広場で歌ったり踊ったりしてこの喜びを表しました。アシジを訪れていた他の多くの人々もこれに加わりました。

マーチではもう一つ大変真剣で重要な共同の時間として8月3日深夜、天使の聖母聖堂で徹夜の祈りが行なわれました。マーチ全体を締めくくる祭儀は4日朝の聖体祭儀で、COMPIの召命担当全国責任者の兄弟レナート・デルボノが司式しました。

聖フランシスコとヨーロッパと若者たち

「親愛なる若人の皆様、しっかりと帯を締め明りを高く灯して、ヨーロッパの道々を行きなさい。あなた方が見聞きした事を語りなさい。800年前にここアシジの町で、青年フランシスコと乙女クララがどのように生きたかを語りなさい:熱情的な二つの心は、徹底的に主に従い、同時代に生きる最も小さき人々と排除された人々に尽くす中で、キリストに捉えられるままに自身を委ね、生涯をかけて愛したイエス・キリストに無条件に献身する事によって、命の意味を完全に見出しました。行って、同様にするよう、恐れずに他の人々に勧めなさい」。

小さき兄弟会総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョは天使の聖母聖堂で行なわれた結びの聖体祭儀の中で、「ヨーロッパのフランシスカンの集いを祝うためにアシジにやってきたたくさんの若者たちを、このような言葉で出迎えたいと願っていました」と述べました。集まりは小さき兄弟会ヨーロッパ連合(UFME)の主催で2007年8月7日から12日まで開かれました。

シドニーで開催される「世界青年の日’08」オーストラリア(2008年7月15日-20日)

オーストラリア聖霊管区執行部は、世界青年の日(WYD)への参加を考えているすべての兄弟たちやグループに、シドニーでの公式行事の1週間前に行なわれるヤング・フランシスカン国際会議にも出席するよう勧めています。巡礼者は全員、集合場所のあるブリスベン経由でオーストラリアに入国しなければなりません。

兄弟たちはブリスベン郊外のケドロンで男子高校のパドゥア・カレッジを運営しています。その近くには女子高校のマウント・アルヴァーニア・カレッジがあり、無原罪の聖母フランシスコ宣教修道女会によって運営されています。ブリスベンでの活動はケドロンのこれらの建物付近に集中して行なわれ、ブリスベン大司教の主催する「イベントの日」を共同で準備します。

集まりには国際的な祈りの集いやライブ・コンサート、文化祭、オーストラリアの自然に直接触れる機会等が設けられます。イベントの費用が最小限に切り詰められているため、シドニーへの旅は参加する個々のグループで準備しなければなりません。WYD08に参加して世界中からやってくる兄弟たちに合流したいと考える方は、下記ウェブサイトを閲覧、又は兄弟ポール・ガーネム、ベン・ガエラ、カイトリン・キングのアドレス宛にご連絡下さい:www.franciscans.org.au/wyd. Br. Paul Ghanem wyd08@franciscans.org.au or Ben Galea wyd08_syd@franciscans.org.au or Caitlin King wyd08_bne@franciscans.org.auWYD公式サイト:http://www.wyd2008.org/

お知らせ:世界のあちこちから

*研究セミナー:中世及びフランシスカン研究高等研究所は、ローマの教皇庁立聖アントニオ大学で10月26日金曜日15時30分から、「『チェラノのトマス:ウンブリア伝記』のための古文書学、文献学及び歴史」に関する研究セミナーを開催します。これはジャック・ダラルンによる校訂版「フランシスカン問題の一つの解決に向けて-チェラノのトマスのウンブリア伝記(JACQUES DALARUN, Vers une résolution de la question franciscaine. La Légende ombrienne de Thomas de Celano, Fayard, Paris 2007」)についての研究会議で、ジュリア・バロネ、アッティリオ・バルトーリ・ランジェリ、ジョヴァンニ・ミッコリ、カルロ・パオロッツィの諸氏が提言を行ない、J・ダラルンも出席します。詳細は下記まで:www.antonianum.eu/medieval.htm

*研究デー:フォリーニョ(イタリア)の聖ルチア修道院は2007年11月10日土曜日、ローマ聖アントニオ大学の中世及びフランシスカン研究高等研究所と協働で、「ヒューマニズムとオブセルヴァンテスのクララ会」についての研究デーを催します。セシル・カビー、アッティリオ・バルトーリ・ランジェリ、パトリツィア・ベルティーニ、アンドレ・ヴォーシェの諸氏が提言します。詳細はantonianumsssmf@ofm.org 又は http://www.antonianum.ofm.org/まで。

*ロシア-カザフスタン宣教地区の誓願者:総長は9月1日、ロシア-カザフスタン宣教地区の兄弟ヴィタルと兄弟ヴァレリオの二人から初誓願を受けました。これで同地区での有期誓願者兄弟は4人となりました。

フランシスカン新刊の栞

*アルヴァロ・カッチオーニ並びにマリア・メッリ監修「聖フィリッパ・マレリ(原題Santa Filippa Mareri)」。フラテ・フランチェスコ叢書3、フランシスカン出版、全184頁。*フィリッパ・マレリは13世紀の20年代から30年代にかけて起こった女性フランシスカンの運動の高まりとの関連において、霊的にも聖人伝的にも歴史上興味深い人物です。これらの伝記の中で、クララとの関係及びリエティ渓谷(イタリア)のボルゴ・サン・ピエトロ修道院のダミアナイト(クララの精神に沿って厳格な清貧に生きたグループ)との関係や、フィリッパのフランシスカン性が検討されます。その後に、イコン学補遺と聖者への崇敬、列聖の記述が続きます。詳細は下記サイトをご覧下さい。http://www.fratilazio.it/cultura/bibliotecadifratefrancesco.html

*「クララのイコン(原題Ikona sw. Klary)」セルギウス・M・バルディガOFM著。アントニエゴ・フランシスカン出版、ブロツラフ、2007年。全28頁。*アシジの聖クララについてポーランド語で書かれたこの新刊書は、聖女の帰天から約30年後に描かれ現在アシジの聖クララ聖堂に保存されている有名なイコンを、その出発点に据えています。著者はイコンの読み込みと数ページの読解を通して、読者を「聖フランシスコの小さな苗木」の生涯と召命の歴史へと導きます。そして読者が聖クララの人となりに近づくだけでなく、彼女の観想の超自然的な賜物から多くを得られるようにしています。さらに著者は簡潔で深い考察を通して、読者に主の霊の内に神の御意志を見出すよう教えます。

* 「小さき兄弟会便覧Ⅰ:公文書1966年-1989年(原題Enchiridion dell’Ordine dei Frati Minori. Documenti 1966-1989,Ⅰ)。L.I.E.F.出版、ヴィチェンツァ、2007年。全1079頁+巻頭20頁。1966年から1989年までの本会公文書及び本会に関する公文書を収めたOFM便覧第1巻が、総本部広報担当室の後援の下に刊行されました。今後さらに三巻分が発行される予定で、1990年から2006年までの公文書が収められます。刊行の目的は、第二ヴァチカン公会議以降から現在に至るまでの小さき兄弟会の進歩についての認識を、具体的に円滑に進める事です。それは私たちの「記念」とルーツの一部を形成する旅路です。同時にまた、アシジのフランシスコの「生活様式」に入りたいと願うすべての人々にその事を伝えようという希望を抱いて、私たちが現在の召命とミッションを生きるのになお助けとなる、魅力に満ちた旅路でもあります。

新任管区長

兄弟ドブロスラフ・コピステリンスキー、ウクライナ「大天使聖ミカエル」管区長に選出。兄弟デニス・ヴァブラック、カナダ「王たるキリスト」管区長に選出。兄弟エマニュエル・ムサラ、ジンバブエ「善き牧者」分管区長に選出。

2007年:大胆に聖福音を生きよう!

私たちは「分裂と断片化によって引き裂かれた」世界に生きています。そして、世界的規模に広がったこの世界を福音化する第一の道としての対話の構築に没頭するどころか、自分たち自身の間の関係を持つ事にさえ困難を抱えている事が多いのです。構成員が共同体の「建設者」としてというよりはむしろ「消費者」として、「修道院内でばらばらに」生活している共同体は尽きる事がありません。

修道院内に押し寄せた世俗の精神に満たされて、私たちはもはや、無償で共にあるという在り方を知りません。一日に一時間でさえ、共に祈る事も知りません。対話のための空間を造る事も知りません。なぜなら「時間がない」から、あるいは「時間を無駄にしたくない」からです。私たちは自身の生活の土台を聖福音や会則や会憲にではなく、世俗化された世界の個人主義的で自己中心的な効率の価値に置くという危険も冒しています。私たちは理論的には、兄弟共同体の価値は私たちの只中に神の国を宣べ伝える事であり、それ故、特に私たちの共同体の国際性を考慮するなら、「よき知らせ」を最初に告げ知らせる事であると知っています。それでも私たちは神の国を生きずに、「自分自身の王国」の建設に没頭している事が多いのです!神のため、兄弟たちのための時間を見つけず、神と兄弟たちを生活の中心に置かずにいる事は、私たちの召命とミッションを生きるのを拒む事を意味します。神を中心とした生活を持たないなら、私たちはすべてをどこに位置づければよいのでしょうか。自身が立てた誓願とどのように矛盾なく整合性を保てるのでしょうか。私たちは何を告げ、教え、宣べ伝える事ができるのでしょうか。

日本管区ニュース

どなたでも参加できる幕屋の集会を、11月23日(勤労感謝の日)に東京瀬田の聖アントニオ修道院で開きます。私たちは10月にフランシスコ会日本再宣教100周年を札幌で祝いました。さらに今年は日本管区設立30周年の年にもあたります。11月19日から24日まで瀬田修道院で管区会議が開かれます。その中で管区設立30周年を多くの兄弟姉妹の皆さんと一緒に祝う企画をたてました。どうぞお誘い合わせの上おいで下さい。

 2007年11月23日(金)瀬田聖アントニオ修道院
 14:00 記念ミサ (司式:新管区長)
 15:30 講演「日本管区が誕生した頃」兄弟カリスト・スイニ
 17:00頃 パーティー!!