12月号

してみ言葉は人となった

兄弟の皆様、喜び祝いましょう。楽しいクリスマスをお迎え下さいますよう。そして熾父の祝福がいつも皆様と共にありますように。総長 兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョOFM

日本管区ニュース
<2008年カレンダー>
フランシスカン・カレンダー(2008年)が出来上がりました。以前、養成事務局が「小さき花」という文集を出していましたが、昨年からカレンダーを出しています。ご希望の方は管区本部までE-MAILをください。

<病気の兄弟>
東京複十字病院に結核のために入院している兄弟ニコラス根本昭雄神父は、12月に入って少しずつ薬が効き始め様態が安定してきました。引き続きお祈り下さい。

<帰天した兄弟>
直腸癌のために聖母病院に入院いた兄弟アンジェロ春山勝美神父は、11月30日に帰天しました。享年71才でした。お祈り下さい。

福者ヨハネ・ドゥンス・スコトゥス帰天700年記念祭

福者ヨハネ・ドゥンス・スコトゥスの帰天700周年(1308-2008)記念祭が、11月8日教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)で荘厳な学術式典と共に始まりました。記念祭は一連の文化的なイベントと共に世界中で行なわれます。それを通してスコトゥスの人となりや、その聖性と教義について知識を深める事ができるでしょう。PUAが数あるイニシアティブの中でも特に、私たちの「精妙博士」にして「マリア学博士」-ヨハネ・パウロ二世の好んだ呼び方では「無原罪博士」(2002年2月16日スコトゥス委員会での提言、小さき兄弟会公式文書集2002より)-について「見直しの会議」を開催する事が期待されています。(PUA理事長を兼任する総長の講演より)

アシジの聖フランシスコ共同体-ハルツーム(スーダン)

2007年10月10日第二回シノドスを締めくくる聖体祭儀の際に、新しい兄弟共同体がガブリエル・ズベイル・ワコ枢機卿によって公式にハルツーム司教区に紹介されました。「アシジの聖フランシスコ」兄弟共同体メンバーの兄弟ヨハネ・レミと兄弟ペトロ・ティンド(スーダン出身)、兄弟レオポルド・ミチッチ(クロアチア)、兄弟メリト・ピニリ(フィリピン)は7月中にスーダンに到着し、まずハルツームの聖パウロ大神学校に寄宿した後、8月1日からコバールの司教区教理教育センターに滞在しました。新しい共同体の始まりに合わせて、二つの重要なイベントが行なわれました。それはハルツーム大司教との会議と「共同体の生活プロジェクト」です。ワコ枢機卿は大変手厚い歓迎に加えてスーダンの兄弟たちに司教区の優先事項を示し、それを生きて従うよう要請しました。「宣教する観想的兄弟共同体」と称される共同体は、小さき兄弟として生きるため、そして従順が加えた新しい文脈の中でもその名のように行動するための基幹となるプログラムを、総理事の兄弟アマラルの助力を得て作成しました。

ハンガリーとチューリンゲンの聖エリザベト

在世会と第三修道会の保護聖人生誕800周年(1207-2007)記念祭の第一年は、11月17日アシジ-ノチェラ・ウンブリア-グアルド・タディノの司教モンシニョール・ドメニコ・ソレンティノの司式による荘厳な聖体祭儀をもって終了しました。祭儀はフランシスコ会総長たちが共同執行しました。同時期に全国評議会とCIOFS(SFO国際評議会)も、SFO会長のエンカルナシオン・デル・ポゾ氏の指導の下にアシジで一週間の仕事を終え、祭儀に与りました。この800周年記念祭の最初の一年間に、聖エリザベトの霊性を再認識するための大きな仕事が行なわれました。聖エリザベトの住んでいたチューリンゲン(ドイツ)のワルトブルグ城で、「チューリンゲンのエリザベト-ヨーロッパの聖人」という題の大変興味深い展覧会が用意された事です。624ページのカタログと、様々の専門家による紹介の公式文書を載せた同じく624ページの書籍も用意されました。詳細はウェブサイトをご覧下さい。http://www.elisabeth-wartburg.de/また、聖人の生涯を知るための大変美しく教育的なゲームが、下記ホームページに掲載されています(ゲームはドイツ語のみ)。http://www.ekkw.de/elisabethjahr/spiel

アラコリでフランシスカン活動修道女会との会議-ローマ

本会創立800周年記念祭の準備のために、小さき兄弟会に繋がりのあるフランシスカン修道女会とOFM総長との会議が2007年11月3日、本会総本部とローマの小さき兄弟会「聖ペトロ聖パウロ」管区及び「アラコリ文化センター」の保護の下で開かれました。会議ではジュゼッペ・ブフォンOFM教授による「19世紀のフランシスカン修道女会-歴史と挑戦」という題の講話に続いて、午後5時からアラコリの聖母聖堂で総長の司式による荘厳な聖体祭儀が行なわれました。その後小さき兄弟会ラツィオ管区長の兄弟マリノ・ポルチェッリofmが、アラコリの聖母聖堂に起源を持つすべてのフランシスカン修道女会との実践的な協働を呼びかける提言を行なって、集まりは閉会しました。当日はおよそ60の様々な修道会から300人の姉妹たちが参加しました。現在394の修道女会が本会に加盟しており、36カ国に総数9,500の修道院があり110,000人の会員がいます。
兄弟的な訪問とSFO全国選挙集会-クロアチア

SFO総長のエンカルナシオン・デル・ポゾ氏とSFOへの総補佐の兄弟イワン・マティッチOFMは、2007年10月5日から8日までクロアチアのSFO全国兄弟共同体を訪問し、諸管区長やザグレブ補佐司教のモンシニョール・ヴァレンティン・ポザイッチ、クロアチア・ユー・フラの全国集会のメンバーたちと会いました。二人は全国選挙集会にも出席しました。10月6日午後に全国会長のマト・バトロビッチ氏とその評議会が選出されました。国際評議員にはアンティカ-ナダ・セプリッチ氏が再選されました。クロアチアのSFO全国共同体は、5つの地区共同体(誓願宣立者は約4,200人)と106の地元共同体から成っています。ユー・フラの全国共同体には5つの地区共同体があり、およそ2,000人のメンバーがいます。

世界中のOFM教育センターに初の住所録完成

本会には104の管区と6つの自立分管区、12の従属分管区、1つの連合、20の地区(その内4つは総長直属)があります。その中で65の共同体が世界47カ国に教育センターを持っています。センターの大半はアメリカ大陸にあり、次いでヨーロッパ、アジア、アフリカとなります。本会の教育センター数は、大学や学部、カレッジ、学校と、ボリヴィアの「キリストの学校」や日本の幼稚園、アフリカ諸国の様々の小学校を含む非公式の教育センターとを合わせて、全体で791あります。本会の全兄弟たちの7%が教育的な福音宣教の分野に働いており、小教区、聖所に次いで福音宣教全体で三番目に大きな分野となっています。http://www.ofm.org/01docum/studies/centriED.pdf

兄弟的な訪問とSFO全国評議会の集会-スペイン

CIOFS(SFO国際評議会)議長団評議員のベネデット・リノ氏とSFOへの総補佐の兄弟イワン・マティッチは、2007年10月25日から29日までマドリッドで開催されたスペインSFO全国評議会集会に出席しました。集会には養成の時間が設けられ、SFOの特質とアイデンティティ、在世フランシスカンの誓願(ベネデット氏)、教会と社会におけるSFOの活動的な存在(兄弟イワン)について考察しました。兄弟的な対話の後、各地区共同体と全国執行評議会からの報告がありました。集会が続く中、ベネデット氏と兄弟イワンは、二人と個人的に話したいと希望する兄弟姉妹たちのために別途時間をとりました。スペインのSFO全国兄弟共同体には、243の地元共同体と17の地区共同体に、およそ4,150人の誓願宣立者メンバーがいます。

PAMI(国際マリア学アカデミー)創立60周年記念

ローマの聖アントニオ国際兄弟共同体に本部を置く「教皇庁立国際マリア学アカデミー」(PAMI)が創立60周年を迎え、11月10日教皇庁立聖アントニオ大学で記念祭が行なわれました。PAMIは1947年に設立されました。初代会長は兄弟カルロ・バリッチで、その後会長職は兄弟パヴァオ・メラダ、兄弟ガスパル・カルヴォ、そして現職の兄弟ヴィンチェンゾ・バッタグリアへと引き継がれています。記念祭にはカトリック教育省長官のゼノン・グロチョレフスキー枢機卿やOFM総長を始め、多くの専門家や権威が出席しました。神のしもべヨハネ・パウロ二世の列福列聖手続き担当申請部のモンシニョール・スラヴォミール・オーデルもその一人でした。PAMIがヨハネ・パウロ二世を追悼して捧げた献呈本が、記念式典の席上で紹介されました。アカデミックなイベントの後、OFM総長司式による聖体祭儀が天使の聖母聖堂で共同執行されました。

フランシスカン新刊書の栞

「パルマのアダムのサリンベーネの年代記(原題Cronica di Salimbene de Adam da Parma)」ラテン語テクスト作成ジュゼッペ・スカリア/翻訳ベルナルド・ロッシOFM。MUP出版、www.mupeditore.it/、全1970頁。この年代記初めての統合完全版が、ラテン語テクストにイタリア語対訳付という形で、全ての読者に利用可能となりました。「パルマのサリンベーネ」としてよく知られるアダムのサリンベーネ(1221-1288)の年代記は、ポー平原の町々で日毎起こる争い事の記録や、サリンベーネ自身が父の意志に反して誓願を立てた小さき兄弟会に対する策謀や悪意的な噂話、それに対する彼の所見と抗弁等、広い意味での「歴史」が混然一体となった魅力的な内容の故に、中世のあらゆる証しの中で際立った光彩を放っています。

お知らせ-世界のあちこちから

尊者P.アッレグラの生誕100年記念:今年は本会シチリア「いと高きイエスのみ名」管区の神のしもべ尊者兄弟ガブリエレ・M・アッレグラの、生誕100年に当たります。同兄弟は1907年12月26日カターニア(シチリア)のサン・ジョヴァンニ・ラ・プンタに生まれ、1976年1月26日香港(中国)で帰天しました。キリストの愛を熱烈に証しする、この卓越したみ言葉の使徒の列福列聖の調査は1984年に始まりました。そして1994年に神のしもべの高潔な徳が認められ、2002年には彼のとりなしによるとされる奇跡が認められました。聖座と中国との相互関係が、中国とその高貴な文化的伝統に心から魅せられていたこの兄弟の列福へと好意的に前向きに働く事を信じましょう。

聖フランシスコを知るための新しい資料:ローマの教皇庁立聖アントニオ大学の中世及びフランシスカン研究高等研究所で2007年10月26日開かれた「『チェラノのトマス:ウンブリア伝記』のための古文書学、文献学と歴史学」研究セミナーにおいて、特にアッティリオ・バルトーリ・ランジェリ、カルロ・パオラッツィ、ジュリア・バローネ諸氏による提言の結果、聖フランシスコを知るための新しい資料の存在-すなわちウンブリア伝記-が確認されました。チェラノのトマスによるものとしてダラルンの提出した校訂版「Vers une résolution de la question franciscaine. La Légende ombrienne de Thomas de Celano, Fayard, Paris 2007(フランシスカン問題の一つの解決に向けて-チェラノのトマスのウンブリア伝記)」の正当性に注目し、それが聖フランシスコに関する聖人伝研究の調査書類全体のより深い理解に向けて持つ重要性に鑑みて、現在、フランシスカン源泉資料集の様々な翻訳に同書が受け入れられる事が期待されています(セミナーの記録は下記サイトに掲載される予定です:http://www.antonianum.eu/)。
ローマで総視察者の集まり:総長並びに総理事会と、本会の総視察者との年次会議が11月12日から16日まで総本部で開かれました。会議の5日間に16人の総視察者が出席しました。※ ヴァチカン郵便局が在世フランシスコ会と律修第三会の諸修道会の保護聖人800周年祭の記念切手を発行:ヴァチカン市郵便局は、壮麗なゴシック様式で知られる、1235年創建の聖エリザベト教会(マルブルグ・ドイツ)のステンド・グラスの窓を図柄とした記念切手を発行しました。

2007年:大胆に聖福音を生きよう!

私たちに欠けていた(そしておそらく今も欠けている)もの、それは現在を首尾一貫して生きる勇気ではないでしょうか:私たちの時代のカリスマの新しい知らせを、説得力ある雄弁で有意義なかたちで生きて表す勇気ではないでしょうか。しかも、私たちが自身を未来に置いてみる事はもっと少ないのです!それにもかかわらず、教会は私たちに強くこう指摘してきました:「皆さんは、栄光に満ちた歴史を思い出して語るだけでなく、さらにこれから築くべき偉大な歴史を持っています」(奉献生活110)。こんにち修道生活を危うくしているなおいっそう深刻な危機の一つは、完全に歴史から距離を置き、関わりを持たないという事です。歴史が現代の兄弟姉妹の間に建設的な対話の橋を築く事も、彼らの深い要求を直観する事もしないからというのがその理由です。前にもまして明らかになった後退の典型例として、兄弟的な関係の価値が挙げられます。兄弟共同体が、私たちのカリスマの本質をなす価値(任意選択ではない)である事を、私たちはよく知っています。教会と修道会は私たちが疲れるほどそう言ってきました。本物の正直で兄弟的な関係は、私たちが生きる世界への絶対的な挑戦なのです。