2009年2月号

2009年総集会に向けて

総集会のための祈りの意向
clip_image002総集会への招集の手紙の中で、総長はこのイベントの成功のために、本会全体が祈りを通して参加し協力する事の重要性を強調しました。「なぜなら『完全な賜物はすべて上から、光を造られた御父から来る』(ヤコブ1:17)からです。聖霊の力と光を信じて、私は2009年四旬節の始めから、修道会全体に、総集会と総長及び総理事選挙の成功を祈る毎日の祈りが行なわれるよう定めます」。

総集会事務局は、聖務日課書に差しはさんで毎日唱える祈りを用意しました。本会の下記サイトからダウンロードできます:
http://www.ofm.org/ofmnews/?p=1943?cat=116それは簡潔な懇願で、朝の祈りと晩の祈りのそれぞれの取りなしの祈りの終りに、自身の召命を思い起こす他の祈りと共にこんなふうに進められます:「主よ、聖なる父よ、あなたは祝福された方です。あなたは無限の善のうちに、聖霊の声を通して、私たちを主イエス・キリストの御跡に従うように招いてくださいました。そして、福音の生きた証し、神の国のしるし、教会における希望の預言者となるために、私たちにお互いをお与えくださいました」。祈りのこの第二の形は、本会創立800周年記念祭において特に意味深いものです。それは私たちが神の召命の賜物をたたえ、「私たちの主イエス・キリストの聖福音を守り、従順のうちに、何も自分のものとせず、貞潔に生きる」(裁可会則1,1)ようにたゆみない努力を続けていくため、み恵みを願うのに助けとなるでしょう。

総集会ウェブサイトには、「私たちは主の香り高いみ言葉を全世界に宣べ伝えるために送り出されている」という事実の理解を助けるために、神のみ言葉の奉読(レクチオ・ディヴィナ)のための指針が載っています。手引の序文には以下のように記されています:「神のみ言葉をフランシスカンの心で祈りを込めて読むためのモジュールは三つあります。それらの基本となっているのは、私たちの生活様式としての福音書、兄弟である事、そして福音宣教のために世に遣わされている事です。第一のモジュールは、未裁可会則の第一章に述べられている福音書の言葉を聴く態度へと私たちを導きます。第二のモジュールは、福音の教えに従って兄弟関係を形成するために聖フランシスコが愛用した、ヨハネによる福音の中にある弟子たちの足を洗う場面へと私たちを導きます。第三のモジュールは、宣教へと派遣する福音書のくだりです。この一節を前にして、フランシスコは、「これこそ私が望んでいたこと、これこそ私が心の底から欲していたことです」と、特別に共感を覚えました。総集会の成功はそれ故に、修道会全体の祈り、各共同体の祈り、そして一人ひとりの兄弟の祈りに結ばれ、委ねられているのです。

フランシスカン新刊の栞

ジャンルイジ・パスクァレ監修「聖フランシスコと共にある365日」(原題365 giorni clip_image004con san Francesco)。聖パウロ出版、トリノ、2008年。全474頁。

800年の時を経た今、聖フランシスコと同時代の人々と私たちが街頭で会う人々との間には、非常に似通ったところがあります。それは彼らが「もう一つのもの」を渇望し、空虚な歓楽の満たす事のできない心の不安を抱いているという点です。だからこそ、聖フランシスコの思想から選び出されたこの選集は、私たちの日々を慰め励まし、明日という日はただ不安の訪れでしかないというイメージを拭い去ってくれる友となるに違いありません。フランシスコは諸教皇によってまさに「もう一人のキリスト」に他ならないとされました。なぜならキリストがご自分の立場をフランシスコに託されたからです。それは聖霊に従って清貧の内に聖福音を生きる事こそが、人の生涯において「明日は主イエスが私たちを待っていて下さる」と確信し幸福になるために選択され得る、最も単純で最も美しい冒険であるという事を、フランシスコが完全に理解していたからに他なりません。

ホセ・A・メリノ著「アシジのフランシスコとエコロジー」(原題Franciscoclip_image006 de Asís y la ecología )。マドリッド、2008年。 全156頁。

環境危機の背景に正義、人権の平等性、自然界への敬意等に関する問題があると認識するなら、環境問題がただ単に科学的、技術的、政治的な問題であるだけではなく、文化的、倫理的、宗教的な問題であるという事が理解できるでしょう。さらに、科学はその価値基準設定の権限において何が善であり何が善ではないかを定める事はできないという事を考えれば、私たちは科学が公共の利益に奉仕する事ができるよう、科学に良心を与えるために、倫理に基づいた決定と新たな思考方法の創造と、信仰の影響力とに訴えなければなりません。エコロジーのこの分野において、アシジのフランシスコの声は語るべき事を山ほど持っています。そしてそれに耳を傾けたいと願う人々も決して少なくありません。なぜなら人々は、私たちが「地球」と呼ぶこの共通の我が家をもっと人間的に歩みたいと願い、全宇宙の万物と平等な関係を維持していきたいと望んでいるからです。

お知らせ-世界のあちこちから

SFOの選挙総集会-ハンガリー

2008年11月15日から22日までブダペストで開かれたSFO選挙総集会は、ハンガリーSFOにとってその年の最も重要なイベントでした。集会には69人の議員を始め、オブザーバーや来賓、事務局や広報担当部門の職員を含めて総勢111人の参加者がありました。会議は議員によって承認された規則と日程表に従って、万事円滑に運びました。OFMConv総長の兄弟マルコ・タスカが、第一会とTORの総長の名において議長役を務めました。今回特に意義深かったのは、以下の諸点でした:

· 兄弟的な生活の体験。選挙総集会自体が穏やかに展開し、全員の非常に積極的な参加があったためです。
· 集会に息づく祈りの雰囲気。特に総補佐の導きによる典礼の祈り。総補佐はこの機会のために4言語を一冊にした典礼書を用意しました。
· 大きな二つの節目。一つはラズロ・パスカイ名誉枢機卿の司式によりエステルゴム大聖堂で行なわれたミサ聖祭でした。SFO保護聖人の聖エリザベト生誕800周年を祝って2006年11月から2年間行なわれた記念祭が、ここに完結しました。もう一つはOFMConv総長の兄弟マルコ・タスカの司式による聖体祭儀で、SFO会長に再選されたエンカルナシオン・デル・ポゾ氏と新しいSFO国際評議会議長団(CIOFS)メンバーの着任承認も含まれました。
· 「会則の誓約」と「SFOへの帰属感」というテーマについての養成と内省の時間。OFMCap副総長の兄弟フェリス・カンゲロシと、SFO元総長のエマニュエラ・デ・ヌンツィオ氏が説明しました。
· 以下の公文書の承認:「フランシスカン・ユース・メンバーの、SFOへの編入」、「第89条第4項の実用的解釈-SFO規則の手紙」。
· 奉献・使徒的生活会省から2008年6月18日に出された公式声明を受けて、第一会総長とTOR総長の共同執筆によるイタリアSFOについての手紙(2008年11月1日、ローマ)の精読。
· CIOFS(SFO国際評議会)議長団は以下のメンバーで構成されます:会長エンカルナシオン・デル・ポゾ氏、副会長ダグラス・クロリー氏、スペイン語圏顧問マリア・コンスエロ・デ・ヌネス氏、英語圏(1)の顧問ティボー・カウサー氏、英語圏(2)の顧問ルーシー・A・アルミラネス氏、ポルトガル語圏顧問マリア・アパレシダ・クレパルディ氏、フランス語圏顧問ミシェル・アルトメイエ氏、ドイツ語圏顧問エワルド・クロイツェル氏、イタリア語圏顧問ベネデット・リノ氏、フランシスカン・ユース顧問アナ・フルック氏。

会議の間ハンガリーSFO全国評議会メンバーとハンガリーSFOの全メンバーから寄せられた、兄弟的な心に満ちたもてなしと疲れを知らぬ奉仕に厚く感謝の意を表します。詳細は下記サイトでも紹介しています:http://www.ciofs.org/

小さき兄弟が聖職者省顧問に-ヴァチカン

教皇は2008年12月30日、聖地特別分管区の兄弟デヴィッド・マリア・イェーガーと、ブラジル「七つの喜びの聖母」自治分管区の兄弟モアシール・マラキアス・ユニオールの2人の小さき兄弟を、聖職者省顧問に任命しました。両者ともローマの教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)の教会法教授です。

「霊性と管理運営」の講座

教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)のフランシスカン霊性研究所はドイツのミュンスターPTH霊性研究所と協働して、「霊性と管理運営」という題の集中講座を開きます。講座はミュンスター哲学神学研究センター所長のトーマス・ディエンベルグ教授OFMCapが担当し、本会の偉大な規範と現代的な管理運営理論に基づいて、霊性と管理運営との間の関係を探究します。開催日時は2009年4月1日から3日までと4月27日から29日までの、各15時15分から18時35分まで、PUAで開かれます。受講希望者はPUA事務局下記アドレスに2009年2月20日までにお申し込み下さい。segreteria@antonianum.eu

スコトゥス研究集会と聖フランシスコ賞

教皇庁立聖アントニオ大学の祝い日と同大理事長の祝い日、そしてヨハネ・ドゥンス・スコトゥス帰天700周年の記念にあたって、2009年1月16日金曜日同大学で「真理への旅路:ヨハネ・ドゥンス・スコトゥスの思想の現実性」と題する研究集会が開かれました。集まりの最後には聖フランシスコ賞が授与されました。一等賞は国際スコトゥス委員会、二等賞はヴォルカー・スタッドラーとモンテフスコ・アントニオ、三等賞はジュゼッペ・ブフォンがそれぞれ受賞しました。詳細は下記サイトをご覧下さい:http://www.antonianum.ofm.org/

福者ドゥンス・スコトゥス帰天700周年記念のイニシアティブ

福者ヨハネ・ドゥンス・スコトゥスの帰天700周年(1308-2008)にあたって、PUAの中世及びフランシスカン研究上級研究所と哲学部は、そのテクスト研究の紹介のために以下のような様々のイニシアティブを推し進め、主催してきました。その一部はこれまで折々本紙上でも紹介されています:

2006年5月26日には、ヨハネ・ドゥンス・スコトゥスについて1966年7月14日パウロ6世から出された使徒的書簡「アルマ・パレンス」の発表40周年を記念して、スコトゥス著作全集第9巻「IOHANNIS DUNS SCOTI, Ordinatio, liber III, distinctiones 1-17」の原文校訂版が発表されました。その際に兄弟バルナバ・ヘキッチが、スコトゥス委員会が最初から用いた方法論について例証しました。その展開は「アントニアヌム第88号」(2008)においてM・セラフィニが発表した「Cronaca」(クロニクル)に、よくまとめられています(pp596-601)。

この原文校訂版について、その後まもなくオルランド・トディスコ教授が報告書を発表しました。周知のとおり、スコトゥス委員会は2008年にマルタン・カルバホ・ヌネス編集による全2巻(4部作)の研究論叢「Giovanni Duns Scoto: studi e ricerche nel VII centenario della sua morte in onore di P. César Saco Alarcón」(ヨハネ・ドゥンス・スコトゥス:帰天700年記念の研究と探究-P・セザール・サコ・アラルコンを記念してⅡ)を刊行しました。その中にオルランド教授が「Libertà e bontà, chiave di lettura del III libro dell’Ordinatio di Duns Scoto」を載せています(pp133-151)。前出「アントニアヌム88号」(2008)中のM・セラフィニ「クロニクル」同頁を御参照下さい。

またスコトゥス学者が講義や授業を行なう場では、米国ワシントン・カトリック大学のティモシー・B・ヌーン教授が「実体の理解可能性:聖トマスからドゥンス・スコトゥスへ」と、「フランシスカン教育システムにおけるスコトゥスの位置」とについて論じました。こうした講義についての包括的なイタリア語訳が、兄弟メッサによって前出「アントニアヌム88号」の「クロニクル」(pp720-728)に発表されています。同年10月から12月には、ローマLUMSA大学のオノラート・グラッシ教授が「スコトゥス的人間学の諸相:霊魂の不滅」というテーマの講座を開きました。さらに上述の一連のイニシアティブに関連して、ティモシー・ヌーン教授がスコトゥス学の補足授業を提案し、「ヨハネ・ドゥンス・スコトゥスにおける神学的哲学的要素の原文分析批評」を論じました。この2年間の行程の終りに臨んで、ヌーン教授はヨハネ・ドゥンス・スコトゥスのテクストの編集作業を通して得た体験の概要を記しました。それは様々の原稿の収集に始まり、諸版の比較、変種の選定、原文校訂とその注釈作成に至って完了する道程でした。そしてこうした授業の終了時には、原稿資料に直接取り組む事によって、スコトゥスの思想に対する新たな関心と研究への積極的な受け入れ姿勢が見られました。

新任総視察者

· 兄弟オスカル・A・アンテ。フィリピンの洗礼者聖ペトロ管区からインドの使徒聖トマス管区の総視察者に。
· 兄弟ミゲル・J・ヴァレシッリョ・マルタン。スペインのグラナダ「会則の保護者の聖母」管区から同国マドリッドの管区合同「シスネロス枢機卿」修道院の総視察者に。

新任管区長

· 兄弟ヴィンセント・ムデュデュジ・ズング、南アフリカの「平和の元后の聖母」管区長に選出。
· 兄弟ジョン・ハーディン、米国サンタ・バーバラ管区長に選出。