2009年5月号

総集会と総長の選挙

clip_image002総集会中に全兄弟共同体の総長選挙が行なわれます。聖フランシスコはこれについて会則の中で次のように書き記しています:「すべての兄弟は、本修道会の兄弟の一人を、全兄弟会の総長、かつしもべとして常に持ち、彼に固く服従しなければならない。総長が死亡した時、その後継者は、聖霊降臨祭の総集会において、管区長およびクストスによって選ばれる。総長がこの総集会をどこに定めても、すべての管区長は、必ず集まらなければならない」(裁可会則8)。

兄弟たちは800年間常にフランシスコの望みを尊重してきました。教会の意志により例えば総長の任期(終身ではなく6年)のように、幾つかの避け難い法的修正を伴いはしまいしたが、それがこの予言的直観の力すなわち兄弟生活の一致を築く導きの力を弱める事はけっしてありませんでした。

「Minister」(管区長)という語は、イエスの教えと模範に由来します。フランシスコはこれに照らして未裁可会則にこう書き記しました:「奉仕者かつしもべ[である管区長]は、[次のことを]覚えていなければならない。すなわち、『私が来たのは、仕えられるためではなく、仕えるためである』と主が言われることと、兄弟たちの魂の世話が自分に委ねられているということを」(未裁可会則4)。フランシスコは旧来の慣習的な用語を好みませんでした。彼にとって「奉仕者かつしもべである」事とは、キリストの愛と謙虚さをもって兄弟たちに仕える事を意味しました。

現在に至るまで、本会はフランシスコの119人の後継者を得てきました。歴代の総長の内イタリア人が77人、スペイン人25人、フランス人7人、ドイツ人4人、ポルトガル人2人、アメリカ人2人、イギリス人1人、ブラジル人1人です。

教皇は2009年6月4日アシジで行なわれる本修道会総長選挙の議事進行を統轄するために、列聖省名誉長官のホセ・サライヴァ・マルティンCMF枢機卿を教皇代理として任命されました。

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お知らせ-世界のあちこちから

① 編集者からのお願い

私たちの共同体は2009年の本会創立800周年祭を記念するために、書籍や切手の発行やメダイの作製など、多くのイニシアティブを行なっています。それ故編集者はこうした記念の品が本会文書館に保存できるよう、製作品を総本部内「フラテルニタス」宛にお送り下さいますように、皆様全員と特に管区・分管区・宣教地区の書記の方々にお願い致します。あるいは管区長や分管区長が総集会に出席する際、彼らに託して下さっても結構です。前以てご協力に感謝致します。宛先:Fraternitas, General Curia Via S. Maria Mediatrice 25, 00165 Rome, Italy.

② 総長が教皇の聖所訪問に随行して聖地へ:

総長は教皇の聖所訪問に随行して聖地を訪ね、ネボ山(ヨルダン)とナザレで教皇を公式に出迎える予定です。教皇は同地で私たちの共同体と共に一晩を過ごされます。

③ 福音宣教の修士課程開講-ペトロポリス(ブラジル):

リオデジャネイロ(ブラジル)のペトロポリスにあるフランシスカン神学研究所で2009年3月、「現代の概況とフランシスカン的展望」というテーマで福音宣教の修士課程が始まりました。学生はボリヴィア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、メキシコ、ペルーのように主としてラテンアメリカ諸国の出身です。この講座は以下の3点を目的とします:1)ヴァチカン第二公会議後のラテンアメリカの伝統と、福音書の教えに合致したフランシスカン的展望との枠組みにおいて、福音宣教の実践を体系的に考察する。2)現代の一連の状況を、福音化に向けた挑戦と刺激と可能性として理解する。3)福音宣教の活動を教会への具体的な貢献に鑑みて適格化する。

④ ゲストハウス「兄弟アルデュイノ・プリオリ」-ペザロ(イタリア)

ペザロの聖ヨハネ修道院に隣接して、「兄弟アルデュイノ・プリオリ」という名の3階建て全6室(ミニ・アパート式)、各室とも居間、台所、寝室、バス・トイレ、暖房設備、TV、電話付のゲストハウスがあります。開設以来10年間、ペザロ市内の病院に入院中の親族の世話と手伝いのためにイタリア各地を始めアルゼンチン、パキスタン、インド、アフリカetc.と世界中からやって来た28,000人以上の人々に、施設は無料で宿を提供してきました。このゲストハウスが運営に成功を収めてきたのは、一つには地元の小さき兄弟共同体やSFOメンバーや後援者からの財政支援があったからですが、それだけではありません。兄弟アルデュイノの懐かしい思い出が、今もペザロの町の中に生き続けているからです。彼は「別の時代」からやってきた兄弟でした。40年間戸ごとに施しを乞い、人々-とりわけ年老いた人々や病人や日々の困苦に喘ぐ人々に、慰めと励ましと愛の言葉を届けました。ですから彼の最も足繁く訪れた場所が病院や高齢者用ホスピスや墓地であったのは、驚くにはあたりません。兄弟アルデュイノは1987年帰天しました。その記念日にあたる本年3月19日には、このユニークな小さき兄弟の姿に対する今も変わらぬ人気を示すものとして、ガブリエラ・カンブリーニ・サンキーニ著「私はペザロの路々にサンダルを履き尽した」と題する同兄弟の伝記が発表されて祝いにいっそう花を添えました。

⑤ 新任総視察者

1)兄弟ザヴィエル・ユ・スウ・イル(韓国聖殉教者管区所属)、総視察者として台湾の「中国の聖母」管区へ。

2)兄弟ロベルト・フーゲンブウム(オランダのゴルクム聖殉教者管区所属)、ドイツ諸管区長の要請により、同地の兄弟たちへの公式訪問と管区会議議長役、及び同地の現行の4つの管区を1つに合併するプロセスの監督のために、総長代理に任命。