2009年6月号

2009年総集会始まる

clip_image002総集会は5月25日、天使の聖母聖堂において総長の司式による共同の荘厳な聖体祭儀をもって開始されました。議員たちは幾つかの形式的事項を終えた後、午前中アシジ管区長の兄弟ブルーノ・オッタヴィから心のこもった出迎えを受けました。それに続いてアシジ司教のモンシニョール・ドメニコ・ソレンティノと、アシジ市長のクラウディオ・リッチ博士の歓迎の挨拶がありました。

今回の総集会は、教皇インノセント3世による私たちの生活様式の認可800周年と時を同じくしている点で特別に有意義です。私たちは自身の起源と、世界における私たちの教会の位置とを自覚しつつ、未来を見つめるために招かれています。それに等しく重要なのは、これまでの総集会から引き続いて基調をなす一つの主題、すなわち「主に心を向け、すべての人々のただ中で主の御言葉を告げ知らせる事のできる小さき兄弟として、世界に宣教者である事」というテーマです。

第一週のうちに、過去6年期の旅路の評価が行なわれます。第二週には本修道会執行部が新たにされます。最後の第三週-四週は聖福音の証しをするという私たちの召命の再出発のために、次期6年の指針の作定に専念します。

総長は説教において次のように述べました:「私は聖霊が次のよclip_image004うに語りかけているように感じます。『小さき兄弟たちよ、

· 勇気を持ちましょう!キリストに捕えられ(フィリピ3:12参照)、ミッションのすべての辺境に至るまで人々に手を差し伸べる事を恐れてはなりません。

· 勇気を持ちましょう!地の果てまでも行き、最も貧しい人々や最も苦しむ人々の喜びと悲しみを自分のものとするために、「あなたの天幕に場所を広く取り、あなたの住まいの幕を広げる」(イザヤ54:2参照)事を恐れてはなりません。

· 勇気を持ちましょう!より深く日々キリストの内に生きる事を恐れてはなりません。なぜならそのようにして、あなたは他者-とりわけ苦しんでいる人々の中で一層よりよくその方に仕える事ができるからです。

· 勇気を持ちましょう!人間の美と尊厳が絶えずおとしめられている「忘れ去られた非人道的な修道院」(すなわち病いや苦しみに喘ぐ人々)に惹きつけられる事を恐れてはなりません(未裁可会則9,2参照)。なぜなら現代の「ハンセン病者」を抱きしめる時、あなたはキリスト御自身をもじかに抱きしめているからです。私たちが彼らを福音化する時、そのようにして彼らは私たちを福音化するのです。

· clip_image006勇気を持ちましょう!民族間の憎悪と殺戮の狂気に切り裂かれた現代の世界に、キリストの愛の対話を回復させる事を恐れてはなりません。平和をもたらす仲介者となりなさい。そのようにしてあなたは神の愛の証人となるでしょう。

聖地の教皇ベネディクト16世

教皇ベネディクト16世は2009年5月8日から15日まで聖地を巡礼されました。聖地におけるフランシスカンの存在と聖地特別分管区の果たす役割は、13世紀に本会の宣教師の召命が始まり、とりわけこの「海の彼方」の聖地に宣教者管区が設立されて以来こんにちに至るまで、カトリック教会にとって常にこの上なく重要なものであり続けています。

ローマ教皇はいち早くフランシスカンを諸聖所における教会の代表として認めました。聖地のフランシスカンの存在を、教会への神の御旨の賜物と表現した記録もあります。1342年に教皇クレメンス6世が最初にフランシスコ修道会のこうしたミッションを認めました。そしてそれ以降何世紀にも亘る聖座と聖地特別分管区との関係において、「教会は諸聖所の管理をフランシスカンに委託する」という考え方が常に支持されてきました。

例えば歴代教皇は、兄弟たちが幾多の困難と苦しみにもかかわらず(多くの兄弟が信仰により殉教しています)、師父フランシスコのカリスマに忠実であり続けた事を認めています。このため諸代教皇は、「教会はフランシスカンのミッションを讃え敬意を表すると共に、彼らが全ての人々に対する奉仕を続ける事を常に励ます」と繰り返し述べてきました。詳細は下記サイトをご覧下さい:http://www.custodia.org/ http://www.youtube.com/videocustodia/

司祭年始まる

アルスの聖司牧者ヨハネ・マリア・ヴィアンネの帰天150周年に当たって、教皇ベネディクト16世は2009年6月19日から2010年6月19日までの一年間を特に司祭年と定め、「キリストの忠実、司祭の忠実」をテーマとする事を発表しました。教皇は「イエスのみ心の祝い日」である「世界司祭聖化の日」の6月19日に晩祷を司式し、そこで公式に司祭年が開始されます。その際アルスの司牧者の聖遺物が、ベレイ-アルスの司教によって提示されます。そして一年後の2010年6月19日、聖ピエトロ広場で行なわれる「世界司祭会議」において再び教皇によって閉幕を迎えます。この記念年の間に教皇は、聖ヨハネ・ヴィアンネを「全世界の司祭の保護聖人」として宣言します。続いて「聴罪司祭並びに霊的指導者名簿」が刊行される予定です。名簿には、現代の司祭の生活とミッションに必須のテーマに関する教皇のテクスト集が載せられます。

聖職者省は教区の裁治権者及び修道会長上と一致して、教会と現代社会における司祭の重要な役割とミッションをより深く理解するため、様々の霊的・司牧的なイニシティブの推進と連繋を引き受けます。それは司祭職へ向けての神学生の養成と、司祭の生涯養成のためでもあります。

フランシスカン的説教に関する国際会議-USA

米国ニューヨーク管区「み言葉の委員会」の兄弟ジョン・アングリンと兄弟ラファエル・ボナンノは2009年6月10日から14日まで、コロラド州のコロラド・スプリングスにあるフランシスカン・リトリートセンターで、フランシスカン的説教に関する国際会議を開きます。テーマは「全世界を聖福音で満たす」です。全体会議では本会初期の説教、道徳的説教、フランシスカン的説教の将来の目標というテーマに取り組みます。またワークショップも開かれ、説教と平和の構築、説教と養成、ヒスパニックへの説教、女性への説教、女性による説教、霊性センター、フランシスコとイスラムについての説教、音楽と歌を伴う説教その他多くのテーマが取り上げられます。

フランシスカン新刊の栞

* パオロ・マルティネッリ監修「創立の恵み。アシジの聖フランシスコの最初の会則認可800周年記念論叢(1209-2009)」(原題La grazia delle origini. Studi in occasione dell‘VIII centenario dell‘approvazione della prima regola di San Francesco d‘Assisi (1209-2009))。デホニアネ出版、ボローニャ、2009年。全648頁。

「主である教皇」によって認可されたテクストにおいて初めて総合的に公式化されたフランシスコ会会則は、キリストの弟子として従順と清貧と貞潔の内に聖福音に従った生き方を求める事を、明確に定義づけています。この初めの恵みの記憶を追体験する事によって、フランシスカン家族のすべてのメンバーが喜びと共に各人の召命の賜物を再発見し、教会内と世界に向けた自身の旅路の刷新に勤しむ事ができるでしょう。

本書に収められたフランシスカニズム、霊性、奉献生活の神学という多様な分野の専門家による寄稿は、アシジのフランシスコの足跡に従いその旅路を学びたいと望む人々の中に聖熾父のよび起こす強い魅力を、情熱を込めて証ししています。

* ジュゼッペ・カッフーリ監修「エルサレムについての対話」(原題Colloqui sui Gerusalemme)。聖地出版、2008年。全180頁。

エルサレムは世界の中心です。それは預言者エゼキエルが七十人訳聖書の伝統に従って述べた定義づけであり(38:12)、信者であるか無いかにかかわらず世界各地の多くの人々が共通して抱く認識でもあります。現在までの三千年間、エルサレムの都は三つの一神教に聖地と認められ、神秘論者や詩人、巡礼者、関心を寄せる人々に霊感を与えてきました。そして同時に常に、排他的所有権を行使しようとする者による暴力に苦しみ続けてきました。本書は信仰に生きる人々、詩人、作家、エルサレム居住者、遠くからエルサレムを観想する人、地上のエルサレムのために働く人、天のエルサレムを待ち望む人など、様々の視点に立つ人々とのインタビューによって、エルサレム考察の対話を集めています。それは私たちすべての者が生まれた都(詩篇87)の神秘に入るための、創意に富んだ独自の方法と言えます。

以下は面談者一覧です(敬称略):エンゾ・ビアンキ、ホセ・ロドリゲス・カルバッリョ、フランコ・カルディーニ、アンドレア・コルデロ・ランザ・ディ・モンテゼモロ、エッリ・デ・ルカ、スタニスラフ・ドズィウィッツ、アモス・ルッザート、カルロ・マリア・マルティーニ、アルダ・メリーニ、ジャンフランコ・ラヴァシ、アンドレア・リカルディ、ミシェル・サバ、ピエトロ・サンビ、アンヘロ・スコラ、アキレ・シルヴェストリーニ、スザンナ・タマロ、ディオニギ・テッタマンツィ。

詳細は国際フランシスカン・ライブラリー下記サイトをご覧下さい:

http://www.libreriafrancescana.it/

お知らせ-世界のあちこちから

* 第5回エキュメニカルと諸宗教間対話に関する生涯養成講座-イスタンブール(トルコ):イスタンブールの聖マリア・ドラペリス国際共同体は対話の奉仕委員会並びに福音宣教総事務局と協働して、小さき兄弟たちとフランシスカン家族のメンバーに向けてエキュメニカルと諸宗教間対話についての生涯養成講座を開きます。使用言語はイタリア語とスペイン語で、期日は2009年10月16日-28日、予定されているテーマは「フランシスカン・カリスマにおける対話の養成」、「エキュメニカル対話、イスラム教とキリスト教の対話、ユダヤ教とキリスト教の対話」です。講座の活動の一環として、「黙示録の七つの教会」を訪ねる3日間の小旅行が含まれます。講座の費用は全部で500ユーロです。

受講希望者は講座責任者の兄弟ルベン・ティエラブランカrtierrablanca@ofm.org宛、または兄弟グウェノーレ・ジュセットgw.jeusset@yahoo.fr宛、またはファクスで+90-212-2432791に登録願をお送り下さい。締切は2009年7月31日で、先着順に20人の兄弟が受講を認められ、詳細な講義要目を送付されます。今すぐ申し込みましょう!

* フランシスカニズム週間:シチリアの小さき兄弟管区は教皇庁立聖アントニオ大学のフランシスカン及び中世研究高等研究所との協働で、シチリアのフランシスカン管区長連合の後援の下、2009年8月31日から9月5日まで毎年恒例の「フランシスカニズム週間」を主催します。テーマは「小さき兄弟会の会則と生活」です。参加希望者は7月30日までにe-メイルで兄弟サルヴァトーレ・フェッロsalvoferro@libero.itにご連絡下さい。全体のプログラムはウェブサイトhttp://www.ofmsicilia.it/に掲載中です。

* 「800年後にあなたも・・・」:これはイタリアのプーリアとモリーゼ両州の小さき兄弟「大天使聖ミカエル」管区が、本会創立800周年を記念して作成したCDの題名です。フランシスカンの15の楽曲が収められており、召命と共同体の賜物のために、そしてフランシスコのように神の美を宣べ伝え続けるために、「いと高い、全能の善い主」を称えて歌います。ベネディクト16世から幕屋の集会の参加者に呼びかけられた要請を喜んで受け入れ、私たちは800年後の今、再び「主イエス・キリストの家である教会を直し」、「救い主キリストの平和と愛」をすべての人々にもたらしましょう。詳細は下記アドレスにご連絡下さい。segretario@fratiminoripugliamolise.it

* フランシスカン宣教者養成講座:ブリュッセルで2009年9月から11月まで、フランシスカン宣教者養成講座が開かれます。

* 列福・列聖手続き担当総申請部長:総理事会は列福・列聖手続き担当総申請部長に兄弟ジョヴァンジュゼッペ・カリファノofmを指名しました。同兄弟はイタリアのアシジの聖フランシスコ熾天使管区メンバーで、これまで列聖手続きの総申請副部長として働いてきました。

* フラテルニタス次号:フラテルニタス来月号は2009年総集会の特集号です。カラー印刷され本会の各共同体に郵送されます。

* 聖アントニオ大学哲学部の研究会議:教皇庁立聖アントニオ大学哲学部は修道会全体と共にその創立800周年を祝いたいと考えました。そして800年間の歴史の中で兄弟たちが文化と社会に対して行なった貢献を再考し検討するために、5月7日午前中「フランシスカニズムの象徴的宇宙」という題の研究会議を開きました。ホセ・アントニオ・メリノ教授とダリオ・アンティセリ教授がそれぞれレポートを発表して、出席した学生と教師陣の間のディスカッションを活気づけました。その後、学部は両教授に各人の最新の出版物に対して感謝を表す機会を得ました。一つはホセ・アントニオ・メリノ著「ヨハネ・ドゥンス・スコトゥスを知る」(ポルチウンクラ出版)で、もう一つはダリオ・アンティセリ著「フランシスカン思想の現実性:現在の問いに対する過去からの答え」(ルベッティーノ出版)です。アンティセリ教授の本は哲学部の教授と学生たちによって、現在までにスペイン語、フランス語、アラビア語に翻訳されています。著者とルベッティーノ出版社の厚意によりフランシスカン思想についての書物が数冊寄贈され、学部長室で自由に利用できます。

OFM日本管区ニュース

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1)2009年6月21日(日)、小さき兄弟会創立800周年を記念して公募した聖フランシスコにまつわる歌・楽曲の作曲者や有志によるフランシスカン・ソングコンサートが田園調布教会でありました。コンサート模様はOFM-Jのウェブサイトにアルバム(会場写真)と動画(演奏)リンクがあります。http://www.ofm-j.or.jp/

2)講演会/兄弟の集まり:東京瀬田の聖アントニオ修道院

①10月11日(日)午後3時、兄弟フェルナンド・ウリベによる一般向け講話「会則に表れるフランシスコの精神(仮題)」と茶話会。フランシスカン・ソング発表。

②10月12日(月)10時、幕屋の集会・兄弟フェルナンド・ウリベによる講演「会則と私たち-FIMの視点から-(仮題)」と公式ミサ。