2010年3月号

ヨーロッパ協議会連合の第9回総会

clip_image002ヨーロッパ協議会連合(UFME)の第9回総会が2月1日から6日までベルギーのブリュッセルで開かれ、近い将来に向けた様々のプロジェクトが承認されました。会議のテーマは、2009年総集会の指令第26番と27番に示唆された「ヨーロピアン・プロジェクト」でした。この意義深いプロジェクトの中で特に注目すべきものとして、2012年ポーランドで開かれる若いヨーロッパ・フランシスカンたちの集まり「ユーロフレイム」(協議会連合の後続体)があります。さらに、スペインのサンチァゴへの道の途上に「臨時の」国際兄弟共同体を設立する事、UFMEを一つのヨーロッパNGO団体とする事、ウクライナのビザンチン宣教地区を支援する事、総理事会と協働で常任評議会に委託された「ヨーロピアン・プロジェクト」を盛り立てていっそう深化させていく事等が挙げられます。

会議には総長と総理事、ヨーロッパの諸管区長、副管区長を含めおよそ70人の主要上長が出席しました。

本会に新しいウェブサイト

マルタの使徒聖パウロ管区の兄弟たちのグループは2009年10月4日、新しいウェブサイトを立ち上げました。このサイトはフランシスカンのニュースとイclip_image004ンフォメーションの3つの主要分野である「フランシスカン研究」、「聖地後援局」、「展望台(Lookout Post)」の各ページを設けており、フランシスカンたちがフランシスカン評論や諸テーマの研究著作物、フランシスカン・テクストの翻訳を無料でダウンロードできるように役立つ事を目的としています。内容は英語です。

同サイトの立ち上げはジョン・アベラ、ノエル・マスカット、レイモンド・カミレッリ、アントニー・キルコップの各兄弟たちの働きによるもので、全員マルタ管区所属ながらそれぞれ総本部、聖地特別分管区、ロンドン、マルタで本会に奉仕しているフランシスカン兄弟のグループです。今回その共同作業が実を結びました。

「展望台」という題のページは国際レベルから地元マルタのレベルまでを含めて、様々のテーマやフランシスカン・ブログ、信仰とキリスト教文化に関する現代の諸問題等を集めています。I-TAUはいずれの場合にもフランシスカン家族全体に役立ちたいと願い、特にフランシスカン・メッセージを広めると共に初期養成と生涯養成のための教材を無料で提供したいと考えています。http://www.i-tau.org/

福者エディジオ宣教地区設立

総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョはパレストリーナとイスタンブールの両共同体の要望を考慮して、総理事会の賛成票を得た後、2010年2月2日付の政令により教会法にのっとって福者エディジオ宣教地区を設立しました。この宣教地区はパレストリーナとイスタンブールの兄弟共同体から成りますが、領域の境界を定めずに総長直属となります。そして昨年の総集会で承認された会憲第168条に従って、すでに定められた規範を遵守しつつ希望者を受け入れ、兄弟を入会させる事ができます。

第3回南米フランシスカン・ユース会議-チリ

clip_image006 およそ200人の若者が2010年1月20日から24日まで、第3回南米フランシスカン・ユース(以下ユー・フラ)会議のためにチリの首都サンチアゴに集まりました。そしてフランシスカン召命の喜びと美を分かち合い、会議の主要テーマである「私は聖なる清貧を浄配として選び取った」について内省しました。若者たちはボリビア、ブラジル、コロンビア、エクアドル、パラグァイ、ペルー、チリの各国から、それぞれの霊的補佐に伴われて参加しました。会議には国際ユー・フラの代表としてブラジルのアンダーソン・モウラ氏が、またチリSFO代表としてイングリッド・パラシオス氏が出席しました。パラシオス氏はチリSFO全国会長で同国SFO国際評議員も務めています。

集まりは祈りや養成、兄弟的な分かち合いに真剣で熱のこもった時間をすごす事ができて、大変よく構成されたものでした。若者たちが会議の主要テーマを掘り下げるのに役立つ関連テーマについて、毎日内省が行なわれました。主な講演者はSr.パウリナ・エチェヴェリーFMIC、兄弟マニュエル・アルバラドOFM、ヘクトル・フェルナンデス・キュビロス氏、兄弟フランシスコ・サルガドOFMでした。

その後会議は、アラメダの聖フランシスコ教会で副管区長の兄弟ホルヘ・コンチャOFMの司式する荘厳な聖体祭儀をもって閉会しました。次回の第4回南米ユー・フラ会議は2012年コロンビアで開かれます。詳細は下記サイトをご覧下さい:http://picasaweb.google.com/jufra.org

フランシスカン新刊の栞

*ジェラルド・リス著「アロンの祝福」(原題De zegen van Aäron)。ヴァルクホフ出版、ナイメーヘン(オランダ)、2009年。全96頁。

clip_image008聖書の民数記の作者は典礼に用いられていたアロンの祝福(民6,22-27)を、荒れ野をゆくイスラエルの人々の旅路のまさに始まりに据えています。この祝福の言葉を通して、神はその民に、約束の地に向かう旅の年月の間ずっと彼らと共におわす事を約束されました。フランシスコはよく知られていたこの祝福を、兄弟レオを励ますために手ずから書き記しました。それ以来、フランシスカン伝統においてアロンの祝福は「兄弟レオに与えられた祝福」として知られるようになりました。

*レオナルド・フォレー著「イエスを信じる」(原題Believing in Jesus)。聖アントニオ・メッセンジャー出版、オハイオ、2009年。全324頁。

本書はキリスト教徒として成長した人が生涯持ち続ける信仰と実践にいっそうの理解を得られるよう、その助けとなる事を目的としています。また同時に、ほとんど教会に入った事のない人々のためにカトリック信仰を近づきやすいものにするという目的も併せもっています。著者自身が述べているように、「この本は臆病な人や傷ついた人の助けとなり、他の人からの問いかけを可能にする」ものです。本書は第6版で最新化されており、随時「カトリック教会要理」を参照しつつ教会の直近の公文書やイベントについて考察する事ができます。またディスカッションのきっかけとなるように作成された質問が用意してあって、読者が信仰の神秘の深みへと降りていくのを容易にします。さらに網羅的で徹底した参考文献欄が、詳細情報の活用に役立ちます。本書は私たちの信仰に必要不可欠の道標と言えるでしょう。

*レオナルド・フォレー、パット・マククロスキー共著「日々の聖人」(原題The Saint of the Day)。聖アントニオ・メッセンジャー出版、オハイオ、2009年。全408頁。

clip_image010 簡潔な伝記と識別の内省を合冊する事により、本書は日々の生活の中で諸聖人の模範を通して主の友情を求め、見いだし、迎えるための、インスピレーションに満ちた実践的な手助けとなっています。各見出し語は、聖人の簡潔な伝記と、読者の生活に深く関連する聖人の生活の模範の解説、それに合った聖書からの引用、聖人または他の霊的著述家による書き物等を載せています。見出し語は239項目が聖人と福者に、16項目が聖母の祝い日にそれぞれ当てられています。

≪お知らせ-世界のあちこちから。≫

ギニア-ビサウ分管区の成長:

6人の最後の修道者たちが2010年1月23日に司祭叙階して、ギニア-ビサウ分管区には現在33人の荘厳誓願者がいます。その内の16人は現地出身、12人はイタリア出身で母管区のヴェニス管区所属、5人はポルトガル出身です。さらに5人の有期誓願者と4人の志願者がおり全員現地出身者です。分管区長はギニア出身の若い兄弟ヴィクトル・ルイス・クェマチャで、2009年3月1日から7日まで開かれた初めての分管区会議において評議会と共に3年任期で選出されました。ギニア-ビサウ分管区は様々の国からの兄弟たち、中でも特にイタリア、ポルトガル、ブラジルからの兄弟たちによる海外宣教活動の結実です。

パリにフランシスカン学院創設:

パリにフランシスカン学院を創設する事が2009年末に認可されました。学院はパリのOFMとOFMカプチンの両管区に従属します。学院創設の目的は霊性、神秘主義、哲学、神学、歴史、芸術の諸分野のフランシスカン教育を行なう事で、3年制を採り、各年度毎に評価が行なわれます。OFMとOFMカプチンの両管区長が学院長を務めると共に援助します。まもなく学部長と、3人の教授から成る学術委員会とが任命される予定です。学術委員会は講義要目を用意します。また事務局と広報室が設けられ、監理委員会責任者によって管理されます。

ドイツ語のフランシスカン源泉資料:

2009年末から私たちは初めてドイツ語で、聖フランシスコの書き物と1世紀のフランシスカニズムの源泉資料を一冊にまとめた書物を手にする事ができるようになりました。各節の冒頭には序文としてOFM、OFMConv、OFMCapの兄弟たちの執筆による紹介が載せられています。

地震後のハイチでの兄弟たちの働き:

ポルトー・プランスの3つの兄弟共同体はハイチの人々を迎え入れる場所になっています。市の中心街にある聖アレクサンドル共同体は、チリ人の心理学者であり医者でもある兄弟ヴィクトルの治療を受ける多くの病人の拠りどころとなっています。現在教会は、たくさんの患者と医薬品でいっぱいにふくらんだ病院テントに変わっています。サルバドル人の兄弟オマールは小さな修道院にたくさんのテントを張り、ストリート・チルドレンのために食事と寝場所を提供しています。兄弟コロンバノは貧しい「修道院」をゆく旅を続けました。そこは今や悲惨を極める場所となった市場でした。この「修道院」では水も電気もないまま、たくさんの人々が生活していました。皆が兄弟に助けを求めて呼びかけ、兄弟は微笑みながら一人ひとりにできるかぎりを与えました。

「十字架のミッション」共同体は3つの共同体の内で唯一被害を受け、修道院の正面壁面が崩壊して建物もかなりの損壊状態にあります。兄弟たちは修道院と教会の間の小さなスペースに野宿しながら人々への奉仕を続けています。兄弟ジャン・ルイは看護師で、地域一帯にあふれる怪我人や病人の世話に連日あたっています。ハイチ宣教地区責任者で修道院長と主任司祭を務める兄弟デンプシーは、小教区の生活を再建するためにてきぱきと働いています。兄弟アントニオも同様に、必要とされるおよそ1,000もの物流手配に全力を上げています。

これまでに寄せられた義捐金は、専ら食料や医療品などの緊急援助に役立てられます。今後の再建に向けては、神のみむねが時を違えずお取り計らい下さるでしょう。詳細はhttp://www.ofm.org/をご覧下さい。

養成と勉学総事務局の執行委員会開催:

養成と勉学総事務局の執行委員会が2010年1月25日から27日まで総本部で開かれました。会議の目的は相互がよりよく知り合う事と、新しい総事務局が本会の諸分野における養成と勉学への認識をより深める事でした。また総理事会の承認を受けたこれから6年間の養成と勉学プログラムについて、その実行方法が話し合われました。さらに皆が留意した主要事項として、諸大陸会議及び国際会議の構成についても検討されました。3日間の会議の間に、出席者たちは総長と会う機会を得て養成の体験を分かち合い、総本部とのより大きな協働を約束しました。

会議の出席者は以下の通りです:総書記の兄弟ヴィダル・ロドリゲス・ロペス、副総書記の兄弟セルジウス・バルディガ、兄弟グレゴリオ・レドブラド(フィリピン)、兄弟マルコ・ヴィアネッリ(イタリア)。兄弟ドミニク・モンティ(米国)は健康上の理由により欠席しました。

イスラエル・パレスチナ平和支援のための国際会議開催:

地中海沿岸諸国議会議員集会の代表と国連代表が2010年2月12日から13日までマルタ(イタリア)においてイスラエル・パレスチナ平和支援会議を開き、2国間の平和構築プロセスに必須と思われる5つの本質的要素すなわち境界、入植地、難民、水、エルサレムについて討議しました。一同は世に認められた専門家として、またこの地域と国際社会の要人として、イスラエルとパレスチナ両国の国会議員と共に会議に出席しました。教会代表としてマルタ管区の兄弟マルチェッロ・ギルランドOFMが、聖座からの任命を受けて出席しました。同兄弟が聖座からこうした任務に任命されるのは今回で2度目となります。

新任管区長

兄弟クラウディオ・ペゴラーロ、中国の聖母管区長に選出(2001年の日本管区の総視察者でした)。

新任総視察者

兄弟ジャンパオロ・カヴァッリ、ヴェニスの「パドゥアの聖アントニオ」管区所属。ローマの聖アントニオ国際兄弟共同体の総視察者に選出。