2010年8&9月号

アシジの聖クララの祝い日

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「神のみ言葉は、紛れもなくアシジの小さく貧しき方とその小さな苗木である聖クララの祈りの源でした。詩篇と聖歌は二人の祈りに深く霊感を与え育みました。それ故に二人の聖人は、主に全き信頼を置き賛美と崇敬に浸された「主のしもべ」のお姿のすべての次元を具現化していたと言えます。同じように、み言葉が日々の私たちの存在に具現化されるよう望むなら、現代の教会が勧めるように、祈りをこめたみ言葉の奉読の実践が共同体において習慣となっていなければなりません。この面で私たちはまだ道の途上にあります」(2010年聖クララの祝い日に向けた総長の手紙より)。

OFM会則と会憲と総則

聖母のしもべにして私たちの師父である聖フランシスコに「福音の真理の霊を身ごもり誕生させる」(聖ボナヴェントゥラ「大伝記」第3章1参照)という名誉を得させて下さった慈しみの母、貧しき者の守護者である聖マリアが、困難に屈せず同じ精神を忠実に貫くために新たにされた本会の意思を、どうか強めて下さいますように。聖福音の遵守と、世界と教会と神の国への奉仕において私たちが進歩する事ができるよう、聖母マリアがお助け下さいますように。最新版が以下のサイトで入手可能です。日本語版も準備中。

http://www.ofm.org/ccssgg/

総長直属修道院の幕屋の集会

総長は総理事会と共に総長直属のすべての修道院の幕屋の集会を招集し、2010年11月26日から28日までローマのフラテルナ・ドムスに集まるよう要請しました。テーマは「本会の奉仕における福音の証し」で、標題は「福音:生きる-分かち合う-証しする」です。今回の集会の主な目的は、互いによく知り合い、各共同体のプロジェクトと手段について話し合う事、兄弟たちの生活とミッションを分かち合う事、各共同体間の絆を強める事です。そして2009年総集会に照らして、福音化するミッションの分野で本会全体との一致を深めるよう努めます。各直属修道院の全院長は、兄弟たちにこのイベントについて助言し、積極的な参加を促すよう求められます。

新しいフランシスカン司教

教皇ベネディクト16世は2010年7月15日、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ聖十字架管区所属で現在同国ゴリカ-リヴノのフランシスカン修道院長とサラエヴォのフランシスカン神学研究所教授を務める兄弟マルコ・セムレンOFMを、同国バニャルーカ教区(面積16,457㎢、人口550,000、カトリック信者37,797、司祭68、修道者136)の補佐司教に任命しました。新司教は1954年ボスニア・ヘルツェゴヴィナのビラに生まれ、1980年小さき兄弟会で荘厳誓願宣立、1981年に司祭に叙階されました。

OFM総本部の新しい月間ウェブサイト

小さき兄弟会ホームページの新ウェブサイトは、以下の諸要素を網羅しようと努めています:

Ø 伝統と革新。フランシスカン・シンボルとラテン語表現が、陰影や透かし模様、レリーフ等の技法を織り込んだウェブサイト向けの現代的なグラフィックに組み込まれています。

Ø 過去と現在。新旧いずれのウェブサイトにもアクセスできます(2010年最新化)。

Ø 多様な言語の文化。ラテン語に加えてイタリア語、スペイン語、英語が使用されており、閲覧者は自由に言語を選択できます。サイトのメイン・ページではフランシスコ会に関するおよそ20件の記事に目を通す事ができます。世界各地からのニュースが集められており、その多くが詳細な記録やマルチメディアの解説資料付きです。メイン・ページに沿ったスペースの大部分は今行なわれている人道的な奉仕活動の探求に当てられ、カラー版の大見出しや写真を通して、小さき兄弟たちが貧しい人々に行なう直接の支援が伝えられます。聖フランシスコの生活と業、総本部の仕事についてのインフォメーションも掲載されます。ウェブサイトはi-phoneでも見る事ができ、最新化と時代に伍した対応とに向けた本会の絶え間ない努力がうかがえます。

USA無原罪の聖母管区の設立100周年記念祭

米国ニューヨーク市の無原罪の聖母管区は2010年6月23日、聖アントニオ教会で管区設立100周年(1910-2010)記念を祝いました。西ヒューストン街とサリヴァン街の角にある同教会は、1866年に建てられ1888年に献納されて以来長年の間イタリア系移民の人々の礼拝の場であり続け、聖フランセス・ザビエル・カブリーニ(別名マザー・カブリーニ)がカテキズムを教えた事でも知られています。当日は荘厳な祭儀が総長の兄弟ホセ・カルバッリョOFMの司式により行なわれました。共同執行者は総理事の兄弟フランシスコ・ウォルターOFMと管区長の兄弟ロバート・カンパーニャOFMでした。祭儀には本会と提携しているホンデュラスの首都テグシガルパ大司教のオスカー・アンドレス・ロドリゲス・マラディアガ枢機卿、同じくホンデュラスのコマヤンガ司教の兄弟マウルス・ムルドゥーンOFM、同オランショ司教の兄弟ロベルト・カミレッリOFM、5人の英語圏協議会管区長、そして多数の管区兄弟たちや女子修道者、信徒、後援者が出席しました。

ブリュッセルの宣教者共同体に新任チーム-ベルギー

総理事会は前回会議において、ブリュッセルのノートルダム・デ・ナシオン国際共同体に新しいチームを任命しました。新体制では新院長のベルギー/フランス「三人の仲間」管区の兄弟ディディエ・ファン・ヘッケOFMと、フォッジャ(イタリア)の大天使聖ミカエル管区所属で現在ナイロビの宣教者の兄弟ジャンフランチェスコ・シストOFMが養成の責任者となって、将来の宣教者や現在サバティカルの宣教者を始め、「諸国の民へのミッション」に関心のある信徒や若者に向けた養成を担当します。そしてすでに共同体のメンバーでノートルダム・デ・ナシオン小教区の責任者を務める兄弟ジャン・グエン・フン・ランと兄弟ベンジャミン・カボンゴ・ンゲレカの2名が、宣教者養成を支援します。

次回の宣教者養成講座は2010年8月30日から11月27日まで行なわれ、すでにカプチン、コンヴェンツァル、小さき兄弟から10名の兄弟たちが参加登録しています。

最後に、ノートルダム・デ・ナシオン共同体での任務を終えて各自の所属管区に戻る以下の兄弟の皆様に、本会の福音化するミッションに向けた素晴らしい奉仕と働きを感謝致します:ベトナム聖フランシスコ管区の兄弟ジャン-フランソワ・グエン・ギア・シン、コンゴ民主共和国「アフリカの聖ベネディクト」管区の兄弟ダミアン・イサベル、トゴ「み言葉の受肉」管区の兄弟ベノイト-ミシェル・アムソウ。

フランシスカン新刊の栞

「スコトゥス委員会」研究・監修、「小さき兄弟会の福者ヨハネ・ドゥンス・スコトゥス著作全集」第12巻(原題B. Ioannis Duns Scoti, Ordinis Fratrum Minorum, OPERA OMNIA)。ヴァチカン印刷局、ヴァチカン。2010。全547頁。

スコトゥス委員会は福者ヨハネ・ドゥンス・スコトゥス著作全集の第12巻を出版しました。同巻は聖体祭儀に関する論文を収めたもので、古代・中世の聖体祭儀についての最も膨大な徹底的研究の一つと考えられます。スコトゥス以外には、ボナヴェントゥラもトマス・アクィナスも同時代のどの博士も、このテーマについてその神学的・哲学的・典礼的・法的・修行的側面をこれほど掘り下げて大胆に徹底的に研究する事はありませんでした。本巻の注文はクアラッキの兄弟出版下記住所またはe-メール・アドレス宛にご連絡下さい:Friars Publishers of Quaracchi, Via Santa Maria Mediatrice 25, 00165 Rome, Italy; e-mail: quaracchi@ofm.org

マルコ・グイダ著「聖人伝の著者を求めて。アシジの聖クララの生涯」(原題Una leggenda in cerca d’autore. La Vita di santa Chiara d’Assisi)ボランディスト協会、ブリュッセル、2010。

著者グイダはこの最新の研究を通して、「聖クララ伝」が、アシジの聖フランシスコについての卓越した聖人伝作家であるチェラノのトマスの作である事を立証します。15世紀の終わり頃にクララ会姉妹のペルージャのバッティスタ・アルファーニは、初めてそれがトマスの作であると考えました。この仮説は現在に至るまで高い評価を維持しています。アルファーニの外的証明は、著者グイドが聖人伝と列聖調査記録、聖クララの列聖勅書やチェラノのトマスの幾つかの著作の間で、語彙的・文体論的諸要素の比較に基づいて綿密に行なった内的な鑑識作業によって確証されています。

「聖フランシスコとイスラム」(原題San Francesco e l’Islam)聖地出版、タセッリ・シリーズ、ミラノ、2009。全48頁。

clip_image004この小冊子は兄弟グウェノーレ・ジュセットの発表した短い章節集と、著者自身が1219年のダミエッタの会見について当初フランス語で著し、その後ポルトガル語、イタリア語、クロアチア語に翻訳された「聖フランシスコとサルタン」の要約とを収めています。著者はここで「壁を越えるフランシスコ」についての内省を続け、十字軍の教会についての見直しを行なっています。

サルタン訪問は数世紀間誤解され、現代に至って綿密に研究されるようになりました。それは私たちに伝えられた非常に重要な遺産の一つであり、深く考察して世界に示す価値のあるものです。巻末の様々の補遺にはこの出会いに関する資料の一部と、総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョの内省が載せられています。

ハヴィエル・ロペス・セルダン編著「ポストモダン社会における婚約についての新たな理解に向けて。倫理的・司牧的課題」(原題Hacia una nueva comprensión del Noviazgo en la Sociedad Postmoderna. Retos éticos y pastorals)。エスピガス・イ・アズセナス、ムルシア、2010。(ムルシア神学研究所出版、上級シリーズ第53集)。

ポストモダニズムは、若者たちの間の愛の関係に対する私たちの理解のし方を大きく変えました。こんにち婚約はこうしたポストモダニズムの影響を受けています。このためカルタゴ-ムルシア管区(スペイン)のフランシスカンの兄弟ハヴィエル・ロペス・セルダンは、婚約についてポストモダン思想が教会に提示している緊急の倫理的・司牧的問題に、本書をもって応えようと努めます。今、カップルの上に神のご計画が明かされる人間的体験として、アガペー的愛に重点を置く婚約についての新たな倫理的・神学的な検討が必要とされています。そして同時に本書は婚約中のカップルに、将来の結婚に向けて教会の本来の教えに沿った「信仰の旅路」の司牧的同伴の書を差し出したいと願っています。

お知らせ-世界のあちこちから

フラン・ロデ枢機卿の司祭叙階50周年:フラン・ロデ枢機卿の司祭叙階50周年を祝うミサが2010年7月3日サン・ピエトロ聖堂で行なわれ、本会総長はその説教者に選ばれました。ロデ枢機卿は奉献・使徒的生活会省長官を務めています。詳細は下記サイトをご覧下さい:http://www.ofm.org/ofm/?p=798&lang=it#more-798

★聖クララについてのシンポジウム-グラーツ(オーストリア):アシジの聖クララの回心800周年記念祭を控えて、オーストリアのグラーツ小さき兄弟共同体は2010年11月12日から13日まで「生ける光の鏡:アシジの聖クララ」と題するシンポジウムを開催します。

★アシジの聖クララと、聖人の生きた中世の文脈とに関するドイツ語圏の専門家として、兄弟パウル・ザナーOFM、マルティナ・クレイドラー-コス氏、兄弟イレネウス・トツィドロフスキーOFM、テレジア・ハイメール氏、兄弟ニクラウス・クスターOFMCap、兄弟ヨハネス・シュナイダーOFM、兄弟オリヴァー・ルーゲンタールOFMが出席し発表します。また、グラーツ典礼聖歌研究所によって「聖クララの祝い日のためのグレゴリオ聖歌」の発表が行なわれます。これは小さき兄弟の修道院図書室の写本から発見されたものです。詳細は「programma」をご覧下さい。

★フランシスコとサルタンについての研究デー:小さき兄弟会トスカナ「聖痕の聖フランシスコ」管区は2010年9月25日、ローマの教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)のフランシスカン及び中世研究上級研究所と協働で、「聖フランシスコとサルタン」についての研究デーを開きます。場所はフィレンツェの聖フランシスコ修道院ラウディ講堂です。詳細は下記サイトをご覧下さい:

★公文書館員向けの第4期実習研修:フランシスカン家族の公文書館員向けの第4期実習研修が2010年11月15日から18日まで(時間は各日とも8:30-12:15,15:25-18:50)、PUAフランシスカン及び中世研究上級研究所の主催により同所で行なわれます。期間中に研修の一環として、ローマ市内の公文書館や美術館へのガイド付き見学が予定されています。詳細は下記サイトをご覧下さい:www.antonianum.eu

★フランシスカニズム週間:小さき兄弟会シチリア管区は兄弟たちとフランシスカン家族のメンバー全員に、2010年8月30日から9月4日までイタリアのパレルモ-バイダで行なわれる毎年恒例のフランシスカニズム週間に参加されるよう要請します。テーマは「フランシスカン史の初期100年間における会則(13-14世紀)。教皇の手紙、会憲、評釈」で、発表者はマルコ・バルトーリ教授とピエトロ・マラネシOFMCap教授です。詳細は下記サイトをご覧下さい:salvoferro@libero.it; www.ofmsicilia.it/

★フランシスカン隠世修道女会及び活動修道女会担当室の予定と活動(2011年前半):担当室は来年2月8日から23日までペルーのリマでクララ会連合及び無原罪の聖母会連合と、「観想的生活」をテーマとする会議を開きます。3月8日から16日まではスペインのコルドバのクララ会聖エリザベト修道院で行なわれる霊的修養で、「観想的祈り」というテーマで会議を開催します。また4月16日から28日までポルトガルのモンタルヴォで、クララ会連合と「権威と従順」をテーマとする会議を開きます。5月12日から14日まではローマの総本部で、無原罪の聖母会連合諸議長の第2回国際会議に向けた準備委員会との会議が行なわれます。実際の国際会議自体は2011年5月23日から29日までスペインのトレドで開かれます。この準備委員会は7月6日から7日までマドリッドの「イエスの聖ヨゼフ」修道院に再び集まる予定です。

日本管区ニュース(ご招待)

フランシスコ会の総長、兄弟ホセ・カルバッリョが9月末に来日します。2004年の日本訪問は中国プロジェクトの会議を兼ねての訪問で、日本の兄弟と交流する時間的な余裕がありませんでした。今回は、まだ訪問していない地域(北海道、九州)を入れた日程にしました。フランシスカン・ファミリーの兄弟姉妹の皆様も、特に22日の集まりには是非ご参加ください。日程は以下の通りです。

9月22日(水)午後、成田到着
16:00 兄弟たちとの懇談(六本木チャペルセンター)
17:30 晩の祈り
18:00 歓迎会(夕食)

9月23日(木) 午後、札幌へ移動
16:00 兄弟たちとの懇談(北11条教会ホール)
19:00 歓迎会

9月24日(金) 長崎へ移動

9月25日(土) 原爆資料館、26聖人記念見学

9月26日(日) ミサ(本原教会)、午後福岡経由で韓国へ