2011年2月号

クララ会創立800周年記念祭

clip_image002「フランシスコ会第一会の創立記念祭のこだまが、今日に至るまでなお私たちの耳に生き生きと響いています。そして今、私たちは2012年に目を向け、聖クララが800年前にポルツィウンクラで自身を奉献した事を主に感謝します。この記念祭は栄光に満ちた過去の記念ではなく、進んで教会に奉仕する意思を新たにする大きな推進力を、自身の歴史から引き出すための大切なイベントです。クララ会の皆様方は聖霊が歴史の中に蒔き広めたしるしを観想する事で世界と関わる奉献された女性として、貧しく十字架につけられ復活されたイエスに従い、何一つ自分のものとせず、従順と貞潔の内に福音を生きるようにと聖霊に召し出されました。皆様はクララ的カリスマの保護者です。そして神の声に耳を傾け、こんにちもなお現代の人々の心に愛の言葉で語りかけます。その言葉は神の住まわれる存在の根源へと深く降りていきます(第一会及び律修第三会総長協議会の手紙)。

典礼祭儀用資料提供のお願い

親愛なる兄弟の皆様、主が皆さまに平和をお与え下さいますように!

総理事会は本会の観想生活委員会の中にOFM典礼委員会を設ける事を決定しました。典礼委員会は、本会全体とクララ会の諸聖人の祝いのためのミサ典書と朗読用聖書とを、様々の言語で準備する作業を委ねられます。さらに委員会は総理事会から時課の典礼の補遺と、管区と共同体の様々の祭儀及び主要な祈りの時間の典礼書とを準備する事も依頼されています。

修道会全体が共通の典礼テクストを使用する事は、本会特有の長年の豊かな伝統である典礼祭儀や聖人と福者の記念の祭儀に関して、共通の一つの心を明確かつ有効な方法で形成するための一助となるでしょう。それは共同体と兄弟たちの生活の非常に重要な様々の時間をふさわしく評価し、同伴するための道具となるはずです。それゆえ現在管区や協議会に存在する資料、それもできれば権限のある権威すなわち典礼秘蹟省に認可されたものの収集にご協力下さいますよう、皆様にお願い致します。

私たちが探している資料は以下のとおりです:

1) 皆様の管区所属の第一会・第二会・第三修道会・在世会の聖人と福者のためのミサ式文(ラテン語または現地国語)。

2)皆様の管区所属の聖人と福者の時課の典礼用テクスト(賛歌、交唱、答唱、朗読etc)。

ž3)管区または協議会の典礼の一部をなす臨時の祭儀と儀式。

これらの資料はすべて2011年5月31日までに、典礼委員会委員長を務める総理事の兄弟フリオ・セザール・ブナデル(総本部在)宛にお送り下さい。e-mailアドレスはjbunader@ofm.orgです。

皆様のご協力を感謝しつつ、お送り下さる資料が総本部に到着するのを待ち望みながら、この機会をとらえて皆様に平和と善をお祈り致します。

OFM総長 兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョ

兄弟の帰天

clip_image004兄弟ジョン・アベラOFMが2010年12月19日午前9時30分、御父のみ元へと旅立ちました。兄弟ジョンは心筋梗塞のために3週間ほどローマの聖ペトロ病院に入院していましたが、心臓の疾患が肝不全を引き起こし、それに糖尿病の合併症と肺水腫、高血圧が加わって早すぎる死という結果に至りました。56歳でした。

兄弟ジョンは1954年マルタのラバトに生まれ、1972年マルタの使徒聖パウロ管区で初誓願を宣立、1978年司祭に叙階されました。エルサレムで神学を学び、ヨルダンで兄弟ミカエル・ピシリッリョOFMと共に様々の考古学活動に協力して骨身を惜しまず働きました。また聖所に巡礼する信者のグループに付き添い導きました。1997年からはローマのOFM総本部広報担当室の室長として献身的に働きました。大変親しみやすい親切な人柄で、彼の元を訪ねてくる兄弟たちの求めにいつでも応える用意がありました。

葬儀のミサは60人以上の共同執行者の参加の下、2010年12月20日午後5時30分から総長によってローマ総本部で行なわれました。その後彼の母と兄弟の住むマルタへ遺体が移送されました。主よ、永遠の安息を私たちの兄弟ジョン・アベラに与え、絶えざる光を彼の上に照らしたまえ。彼の安らかに憩わんことを。

アマゾン・プロジェクト

2010年8月に開かれたラテンアメリカOFM管区長協議会連合(UCLAF)集会はアマゾン・プロジェクトを深く考察して、総理事会に簡潔な提議の文書を送りました。総理事会は同年9月の会議で検討した結果その内容を良しとしましたが、より大きな連帯と具体化が必要であると判断しました。そしてプロジェクトの多くの面が体験や観察や、アマゾン地域の現実に組み入れられた共同体の内省によっていっそう明確にされると認識しながらも、以下の措置を取るよう提言しました:

clip_image0061)兄弟ネストル・イナシオ・シュウェルツをコーディネーターとして兄弟フリオ・セザール・ブナデル、兄弟マッシモ・テドルディ、兄弟ジョセフ・ロザンスキーから成る委員会を組織する事。上記の兄弟たちはこのプロジェクトを本会全体に知らせ、会全体がそれに関わるようにするための方法と手段を用意する事を任務とする。 2)UCLAFの兄弟が6月までにこのプロジェクトに就くようにするため、総長からの手紙を全管区長、全分管区長、全協議会議長に送付する事。 3)以下の二段階から成る養成に指名された兄弟たちのために、その全道程を準備する事。この養成はUCLAFの監督評議会の同伴と指導をもって進められる。二段階とは、すでにある存在に組み入れられる期間と、より体系的な養成とを指す。 4)プロジェクトを始めるために新たな共同体を作り、それによって現在の存在を強化しつつ、アマゾンにおけるミッションと、豊かな協働と連帯のネットワークとをもってプロジェクト全体を内側からうち立てていく事。 5)本会に委託されている代牧区の会議が9月に総本部で開かれる際、このプロジェクトを議題の一つとして提出する事。 6)UCLAFの監督評議会は共同体の場所、経済的支援、新しい宣教者の養成の方法と担当者等についての諸面を明確化しなければならない。

フランシスカン新刊の栞

*「クロアチア語版フランシスカン人名辞典」(原題Hrvatski Franjevački Biografski Leksikon)。 Hoško Emanuel – Kapitanović Vicko (Urednici), Leksikografski zavod Miroslav Krleža i Vijeće。クロアチア及びボスニア・ヘルツェゴヴィナ・フランシスカン出版。ザグレブ、2010年。全590頁。

長い準備期間と多大な努力を経て、素晴らしい百科事典的手引き書が完成しました。本書はフランシスコ会会員についておよそ1,000項目を見出し語として立項しています。これらの会員たちはその活動によって修道会や教会、自身の共同体、さらには芸術、学問の分野に確かな貢献をしてきました。さらに辞典は伝記資料、会と地域の構成員、養成、諸機能、フランシスカンがクロアチアに到着してからの年代表を収めています。辞典内ではフランシスカン一人ひとりが修道会の所属によってではなくその活動を基準として一つの欄を割り当てられています。小さき兄弟、コンヴェンツァル、カプチン、第三修道会、フランシスカン姉妹が等しく紹介され、本書を完全なものとしています。この労作はフランシスカンが歴史を通してクロアチアの大地に果たしてきた大きな役割を、如実に浮き彫りにしています。

*コンスタント・J・ミュウズ並びにクレア・レンキン共著「中世から現代に至るアシジのフランシスコとクララの解釈」(原題Interpreting Francis and Clare of Assisi from the Middle Ages to the Present)。

clip_image008本書は2010年12月8日オーストラリアのメルボルン近郊ボックスヒルのヤラ神学連合の聖パスカル図書館で発表されたもので、フランシスコとクララの原初の姿が数世紀を通してどのように解釈されてきたかを明らかにします。実際に、中世の弟子たちの生活や近代の人々の抱く共感、さらにはアーサー・ボイドなどの現代芸術家を始めとする私たちの同時代人の賛美を通して、著者はフランシスコとクララのメッセージと模範の恒久不変の特性を描き出します。また本書は協力者の長大なリストを載せており、その中にはフランシスカンの理想を生きるために召し出された人々を含め、こうした貴重なフランシスカン史の資料の作成に貢献してきた、国際レベルで名を知られる卓越したフランシスカン史の著述家たちの名が見出せます。本書の注文は下記アドレスにご連絡下さい:info@broughtonpublishing.com.au

お知らせ-世界のあちこちから

教皇庁で働く兄弟たちの集まり:総長は2010年12月16日、聖座で働く兄弟たちを総本部に招きました。総長や総理事会と互いに知り合い分かち合う和やかで有意義な会合に続いて、一同は共に晩祷の祭儀を行ない、その後夕食とレクリエーションを楽しみました。

教皇庁で働く本会の兄弟たちは総数8人で、最高裁判所に1名、ローマ控訴院に1名、教理省に1名、福音宣教省に1名、国務省に1名、司教省に1名、奉献・使徒的生活会省に1名、内赦院に1名です。総長を含めて他に14人の兄弟が教皇庁の諸事務局と協働しています。兄弟たちに宛てた招待状の中で総長は次のように述べました:「聖座での皆様の働きは、私たち全員が誓願を立てた会則によって求められている同じ教会の足元に在るための、特別に恵まれた道となっています」。

clip_image010PUAに環境科学の国際修士課程創設:学際的な学術コースとして、ローマの教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)の哲学部に環境科学の修士課程が創設されました。この修士課程は環境についての大きなテーマに国際的レベルで取り組むために、大学自身の学術組織の協働に加えて他の大学や研究機関とも協力しながら進められます。

フランシスカン的観点による養成の修士課程:PUAフランシスカン霊性研究所は、毎年イタリア語でフランシスカン養成の修士課程を開講しています。この養成はフランシスカン家族の養成担当者向けに、特にフランシスカン人間学に基づいて養成の道程の原理とダイナミクスについての理論的・実践的な知識を提供する事を目的としています。2007年から現在までに19人の小さき兄弟たちが修士課程に参加し、そのほぼ全員が今も初期養成に携わっています。費用や日程表、講座概要についての詳細は下記ウェブサイトをご覧下さい:http://www.antonianum.eu/

新任管区長及び分管区長の会議: 新たに選出された管区長及び分管区長の年次会議が2011年1月17日から28日まで総本部で開かれ、総数19人の管区長と分管区長が出席しました。講演者から活性化やリーダーシップ、運営、統治について多くの助言がありました。管区長たちは総長と総理事に個人的に会い、総本部の諸事務局や担当室とも知り合う事ができました。

ペトロポリス・フランシスカン神学研究所の入学受付:ブラジルのペトロポリス・フランシスカン神学研究所(ITF)は2011年度の入学登録を受け付けます。また「福音宣教修士課程」用の専門講座も開講します。これは本会の優先課題の一つと考えられています。修士課程は関心のある全ての管区に門戸を開いています。詳細はwww.itf.org.br/をご覧下さい。問い合わせはsecretaria@itf.org.brにご連絡下さい。

教皇ベネディクト16世にドイツ語版「フランシスカン源泉資料集」を献呈: 2010年12月22日の一般謁見の際、ドイツ語版源泉資料集の著者の一人である兄弟レオナルド・レーマンOFMCapは教皇ベネディクト16世に「Franziskus-Quellen」を贈り物として献呈しました。教皇は喜ばれ「私はイタリア語版はすでに持っていますが、今ドイツ語版でテクストを読む事ができます」と述べました。

PUAの大学及び大学理事長の祝い日: 毎年恒例の教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)の大学及び大学理事長の祝いが1月18日、同大学講堂で行なわれました。今年の祝いは17日と18日の2日間にわたり「平和の礎としてのエキュメニズム」と題する国際セミナーという形をとりました。この題に従って1月18日は「平和の構築における宗教の役割」というテーマに専念しました。セミナーはPUAとベニスのエキュメニカル研究所、アトンメントの小さき兄弟連合センターによって進められました。イベントはラウンドテーブル・ディスカッションで締めくくられ、総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョの閉会の挨拶をもって終了しました。

「シエナの聖ベルナルディノの列聖プロセス」についての研究セミナー:レティツィア・ペレグリーニ著「シエナの聖ベルナルディノの列聖プロセス」(クアラッキ出版、ローマ)の刊行に際して、PUAのフランシスカン及び中世高等研究所の主催により2011年3月25日15時30分から同大学Aホールで研究セミナーが開かれます。詳細はwww.antonianum.eu/medieval.htm又はE-mail sssmf@pua.antonianum.euuをお使い下さい。

福音の賜物の使者

福音化するミッションは、聖職者だけでなく、全教会に与えられた使命です。様々な使徒職がある中で、すべてのキリスト者は神の国の福音を宣べ伝えるために自分を派遣しておられる主の命令に応えなければなりません。教会を正しく理解するということは、多様なカリスマと使徒職の基本が洗礼という共通の条件から生まれていることを認めることなのです。それゆえに、私たち小さき兄弟は、信徒と共に力を合わせて福音宣教を推進するように求められていると感じています。それこそは、神の教会に対する神の賜物であるである福音に正しく《応える》ことにほかなりません。このようにして、信徒は、伝えられた信仰を守り、実践し、公言するという権利と義務を行使します。信徒は、特権によるのではなく、ましてや人手不足を補うための手段としてでもなく、本来、福音宣教者なのです。その結果、私たちは「教会論的な会話」を始めなければならなくなっています。それは、いまだに一部の兄弟たちの間に広がっている聖職者偏重主義のメンタリティを克服する助けとなることでしょう。教会のモデルが司祭と聖職者の使徒職にのみ基づくものであったなら、信徒と共に行なう福音宣教(shared evangelization)の入る余地などなかったでしょう。なぜなら、福音宣教を信徒と共にするということは、ある種の安全を進んで放棄し、権力と行動の余地を譲渡する潔さを意味するからです。それゆえに、そのような「お返し」は、聖霊が働いておられることの具体的なしるしであり、そうしたしるしの預言的な発明者になれるかどうかは、私たち小さき兄弟次第なのです(第25節)。

日本管区お知らせ

☆修練者の兄弟持田隆浩の初誓願式:ミサ、3月21日(月)11時、さいたま修道院。どなたでも参加できます。

☆兄弟元田勝哉の司祭叙階式:3月26日(土)13:30 田園調布教会

――お詫び――

「フランシスカン家族典礼暦 ・2011年度」の訂正。以下のページに誤りがあります。訂正お願いします。

誤:2010年3月 → 正:2011年3月 (以下、4月から11月まで各ページの2010年を2011年に直して下さい。