2011年4月号

幸いなるかな、アレルヤ!

clip_image002御復活祭です!「マリヤよ、ゆく道で偉大な朝にあなたは何をみたのでしょう」。そして私たちはかつて罪びとであった人の口から、こう聴きます-「主は墓を出て復活されました」。兄弟姉妹の皆様、遠く或いは近く至るところからこの信仰を公に宣べましょう、「キリストはほんとうに復活された!」(ルカ24:34)。そして同時に、復活された御方が、ご自身が「生きている者と死んだ者との審判者として、神によって定められた者であることを、民に宣べ伝え、かつ証言するように」(使徒行録10:42)と私たちを召し出されたミッションを、新たな情熱と共に引き受けましょう。 (総長の2011年復活祭の手紙より。)

霊性と諸宗教間対話のカテドラル落成式

モンシニョール・ルイジ・パドヴェスOFMCapを追悼するカテドラルの落成式が3月4日から5日まで、教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)で行なわれました。モンシニョール・ルイジ・パドヴァスはトルコのアナトリアの使徒座代理区長で、2010年6月3日同国内で暗殺されました。このカテドラルの重要な関心分野は、諸宗教間の対話の架け橋としての神の探求と、多様な修道体験に向き合う中でのキリストと聖霊における神の体験、世界の諸宗教間の関係性と共存との歴史です。そして中東におけるキリスト者の存在に特別の注意が払われます。それはモンシニョール・パドヴェスの大切なテーマであっただけでなく、その存在が東方のキリスト者-特に聖地の-及びイスラムと関わるフランシスカン伝統にとって、重要な要素となっています。

clip_image004落成式の金曜日朝には、本会総長でPUA理事長の兄弟ホセ・R・カルバッリョやカプチン会総長の兄弟マウロ・ユーリ、聖座へのトルコ大使ケナン・グルソイ氏など学術と修道の諸権威が迎えられました。講演者は教皇庁諸宗教評議会議長のジャン・ルイ・タウラン枢機卿と、聖地特別分管区長の兄弟ピエルバッティスタ・ピッザバラでした。この落成式の際に、モンシニョール・パドヴェスの最後の企画となった「アナトリア・キリキア・カッパドキアのキリスト教徒の第一回シンポジウム」も実現する事ができました。これは故人によって企画され2010年6月23日から29日までトルコで開催される予定でしたが、その早すぎる死のために延期されていたものです。

「聖地」誌が刊行90周年

聖地特別分管区の隔月刊行「聖地」誌が、2011年1月・2月号誌をもって刊行90周年を迎えました。同誌はそれを記念して、オンラインhttp://www.edizioniterrasanta.it/から有料ダウンロードできる新たな電子版も開始しました。

「聖地」誌はイタリアの巡礼者に聖地についての最新のニュースを知らせる事を目的として、1921年エルサレムで始められました。そして時代と共に歩みを進め、新たなコミュニケーションの手段に適応してきました。

2006年からは64頁のカラー版隔月誌となり、イエスの地を深く心に留める著名な専門家やジャーナリストたちとの協働を生かしてきました。オンラインhttp://www.terrasanta.net/でも運営されており、読者が中東での最新のニュースを日常的に知り、網羅的で新しいコンテンツにアクセスできるようになっています。

COMPIの財務管理養成セミナー

clip_image006 イタリア・アルバニア管区長協議会(COMPI)は2月28日から3月1日までアシジで、管区と共同体の会計担当者に向けて財務分野のセミナーを開き、この分野を担当するおよそ135人の兄弟たちが協議会の諸管区から出席しました。席上、聖座財務部局長のヴェラシオ・デ・パオリス枢機卿と、本会総会計の兄弟ジャンカルロ・ラティから充実した内容の提言がありました。講演者は各地元の会計担当者の数や最新の電子会計技術について、また教会とフランシスカン霊性と互恵的財務の新たなビジョンという枠組みにおける、貧しさと富への掘り下げた理解について発表しました。「預言者的」フランシスカン財政を創出するために、総会計は会計担当者各自が自分のものとすべき幾つかの指針を次のように示しました。1)個人的・共同体的な「sine proprio」(何も自分のものとしないこと)と「お返しすること」、2)管区や修道院を越えた普遍的共同体への帰属意識、3)地道で本質的な生活様式、4)働く恵みの維持と発展、5)すべては共同体のものなので管理運営を透明にする事、6)管理運営への兄弟全員の参加、7)聖所の保全と尊厳、8)経済的連帯を表わすための財貨の共有、9)自己譲渡と内的・外的な分かち合いの方法としての共通基金の活用、10)倫理的生活を選び取る事。それには法の尊重、被雇用者への公正、浪費に対する用心を始めとして、「家族の善き父」の姿をよき財務管理者の模範として心に留める事が含まれる。

このセミナーは、フランシスカン霊性に照らして考えるべき財政に関わる事柄として、「会計分野の透明性と連帯と倫理の問題について諸共同体を教育するための、初期及び生涯養成計画の作成」を促した2009年総集会の指令第54番に応えて行なわれました。出席した会計担当者はセミナーの内容に満足の意を表わしただけでなく、今回と同様のフランシスカンの財政というテーマでまた別の養成会議も開きたいという希望を語りました。

対話についてのセミナー-フィリピン

本会の対話の奉仕委員会は2011年2月20日から26日までフィリピンのセブ島で、アジアにある二つの協議会の共同体を代表する兄弟たちに向けて、養成会議を主催しました。二つの協議会とは東アジア協議会(EAC)と南アジア・オセアニア協議会(SAOC)で、ほぼ全ての共同体の代表と地区理事が出席しました。会議は祈りと出席者の紹介をもって始まり、続いてフィリピンとより広いアジアという文脈の中で修道的・文化的・教会的現実についての分析と内省が行なわれました。参加者は偉大な宗教と古い文化の揺籃である、この広大で複雑な大陸の現実に取り組みました。世界の人口の61%が同大陸に居住し、その85%は非キリスト教徒ですが、そこには深い福音的価値があります。同時に暴力と紛争と過激主義と貧困があります。出席した兄弟たちはそれぞれの国での対話の体験と挑戦と希望のしるしを分かち合いました。対話の奉仕委員会は対話の様々な次元すなわち「フランシスカン的」、「エキュメニカル」、「諸宗教間」、「異文化間」の各次元について、4つの手引き書を発表しました。また参加者たちは、現実にキリスト教徒とイスラム教徒間の対話が実践されている場所を訪問する事ができました。そしてそれに基づいたグループ・ワークや分かち合い、全体セッションを通して、アジアにある二つの協議会の共同体における近い将来の優先的な取り組みを示した総括文書が作成されました。これらの取り組みは以下のとおりです:地域の主要な信仰と文化の存在に従って方向づけされた幾つかの「対話のセンター」を、諸構成単位の中に設立する;初期養成と生涯養成において対話の文化を促進する;平和のための対話を促進する;アジアの人々が体験している文化的・政治的・社会的・経済的問題に向き合う。

さらに参加者たちが優先的に担うこれらの取り組みに加えて、本会の対話の奉仕委員会の連携の上でフランシスカン家族との協働を得つつ、管区長や分管区長たち、福音宣教事務局に向けた提案がありました。セミナー終了後、対話の奉仕委員会は近々行なわれる取り組みと担当者の指導的役割の向上を考慮して例会を開きました。

ブリュッセルで宣教者養成の新期講座

宣教者養成のための新期講座が2011年3月1日からブリュッセルで始まりました。新しく受講者7人を迎え、その内の3人は小さき兄弟、4人はカプチンの兄弟で、ミッションの目的地はハイチ、モロッコ、中国です。養成担当責任者の兄弟ジャンフランチェスコと修道院長の兄弟ディディエがミッションについての集中講座を用意しました。そのテーマには教会から出された公文書や、フランシスカンの特色を示す宣教者の霊性、福音化するミッションの本質的側面、受講者がこれから数ヵ月のうちに派遣される土地についての知識などが含まれます。現在ブリュッセルの共同体には、上記の兄弟たちに加えて主任司祭の兄弟ジャン-ランと助任司祭の兄弟ベンジャミンがいます。講座期間中に(3月-5月の講座はフランス語、9月-11月は英語)、共同体は養成チームを充実させるためにコンベンツァルの兄弟とカプチンの兄弟も迎える予定です。

兄弟ステファン・ブリスOFMが表彰-バンコク(タイ)

clip_image008前オーストラリア管区長の兄弟ステファン・ブリスは2011年2月、タイのバンコクで開かれたフランシスカンズ・インターナショナル(FI)の地区担当者会議を締めくくる聖体祭儀においてその働きを表彰されました。これはバンコクに根ざしたFI担当室の設立に向けた、同兄弟の惜しみない尽力に対するものです。現在担当室は太平洋を囲むアジア全域のフランシスカン家族に奉仕しています。

兄弟ステファンは表彰に謝意を述べると共に、共にこの夢の実現のために働いたすべての人々と喜びを分かち合いたいと語りました。そして今年すでに3年目を迎えたこの担当室が、アジアの人々のために奉仕を続けていけるようにと希望しました。詳細は下記サイトをご覧下さい: http://www.franciscansinternational.org/

フランシスカン新刊の栞

セッツェの聖カルロ著「わが人生」(原題La Mia Vita)。ポルツィウンクラ出版、2011年。全328頁。

clip_image010 セッツェの聖カルロ(1613-1670)は学者でも識者でもなく、貴族でもありませんでした。農民の息子に生まれ、自身が述べるように学校で「多少の読み書き」を学びました。22歳の時にフランシスコ会士になり、直ちに熟練のいらない単純な労働をするように呼ばれました。けれども神の息吹を受けて、「書きたい」という自身の内なる深い願望を自覚するようになりました。彼が文化的遺産として私たちに残した書き物は、現代にあってもなお驚くべき深い霊性と知恵を表わしています。特に自伝である本書にそれが顕著です。セッツェの聖カルロは自身の困難や恐れを隠す事なく、個人的な体験から得た多くの模範をもって内的生活の原理について教え、解説します。本書は「魂で体験した神を知り、愛する」というキリスト者生活を生きた聖カルロの神秘体験へと、私たちをいざないます。

パオロ・マルティネッリ著「神のへりくだり。聖体祭儀:主の現存の神秘」(原題 L'umiltà di Dio. Eucaristia: mistero di una presenza)。ポルツィウンクラ出版、2011年。全80頁。

clip_image012受肉と復活祭と聖体における主の現存の神秘は、神のへりくだりを通して強く深い絆で結ばれています。神は私たちのために小さくなられ、ご自身を質素なパンの内に差し出されました。著者は福者フランシスコ・スピネッリの「聖体祭儀の会話」を通して、この賜物の全体像を描き出します。それは祭儀の豊かさ、聖体礼拝の価値、ミッションへの献身です。本書はあらゆる人々に約束された愛の偉大な計画の探求へと、読者を導きます。フランシスカン書籍案内サイトhttp://www.libreriafrancescana.it/をご参照下さい。

お知らせ-世界のあちこちから

アシジの聖クララの記念祭始まる:アシジの聖クララが自身を奉献してから800周年を迎える記念祭が、2011年4月16日から8月11日まで行なわれます。4月16日は聖ルフィーノ大聖堂で晩祷が行なわれ、その後聖クララの奉献800周年記念祭を開会するためにポルツィウンクラに向かって行進が出発します。詳しくはhttp//www.ofm.org/をご覧下さい。

列福・列聖担当総申請部に新しい副部長:メキシコのミチョアカン「聖ペトロ聖パウロ」管区所属の兄弟ルイス・マルティン・ロドリゲス・ムニョスは、総理事会により本会の列福・列聖担当総申請副部長に任命されました。

第9回グレッチオ会議:ローマのアラコエリ文化センターと同市の使徒聖ペトロ聖パウロ管区、アブルッツォ州シエナの聖ベルナルディノ管区、それにPUA中世及びフランシスカン研究上級研究所の共催により、第9回グレッチオ会議が2011年5月6日から7日までリエティのグレッチオの聖所「Oasi Gesù Bambino(なぐさめの幼な子イエス)」で開かれます。テーマは「リエティ谷におけるフランシスカンの旅路」です。詳細及び予約は下記アドレスまたはサイトをご覧下さい.

info@centroculturalearacoeli.it   http://www.centroculturalearacoeli.it/

ベラルーシのSFO全国選挙集会: ベラルーシのSFO全国選挙集会が2011年2月25日から27日まで、ベラルーシ共和国グロドノ市のドズィウィアトフカ地区にあるレデンプトール会の教区ホールで開かれました。集会には25人の議員と9人の霊的補佐が出席しました。開会のミサはグロドノの司教モンシニョール・アレクサンドル・カズキエヴィッツが司式し、集会に出席した霊的補佐全員が共同執行しました。選挙はSFO総長のエンカルナシオン・デル・ポゾ氏が議長役を務め、SFO国際評議会(CIOFS)議長団評議員のミシェル・アルトメイエ氏が同伴、ポーランドSFOへの全国補佐の兄弟アロジ・パンチザックOFMが総補佐協議会代表として出席しました。選挙の結果マリア・エトル氏が全国会長に選出されました。集会にはフランシスカン・ユースから若者のグループも出席しました。

ベラルーシのSFOは34の地元共同体からなり、会員は516人で、その内491人は終生誓約を宣立しています。会員の多くはグロドノ教区に住んでいます(約390人)。フランシスカン・ユースの共同体は3つあり、42人の会員がいます。