2011年5月号

クララ会創立800周年記念祭始まる-アシジ

clip_image002クララ会創立800周年記念祭の開会式が2011年4月16日、アシジの聖ルフィノ大聖堂でアシジ司教モンシニョール・ドメニコ・ソレンティノの司式による前夜祭と共に行なわれました。祈りの後で人々の行列が大聖堂を出発し、途中聖クララ創立修道院と聖キリコ修道院、聖コレット修道院でそれぞれ儀式を行ないながらポルツィウンクラに向かいました。ポルツィウンクラでは小さき兄弟会総長がこのようにして集まった人々を迎え、前夜祭を締めくくりました。詳しくはhttp://www.ofm.org/をご覧下さい。

2012年「アンダー・テン」の兄弟たちの幕屋の集会

総長と総理事会はこれまで15年以上に亘って、荘厳誓願宣立後10年未満の「アンダー・テン」の兄弟たちのための幕屋の集会を促進し、主催してきました。1995年スペインのサンチアゴ・デ・コンポステラでの第一回集会から始まり、2001年にブラジルのカニンデ、2007年には聖地でと、現在までに三度の集会が開かれています。これらの集会への積極的な評価に鑑みて、現総理事会は6年間の任期中にこの体験を継続したいと考えました。そして総長は この趣旨で次回の「アンダー・テン」の兄弟たちの幕屋の集会を招集しました。期日は2012年6月2日から10日まで、開催地はメキシコで、グアダラハラ市のザポパン教会で開会し、メキシコ市のグアダルペ教会で閉会します。集会のテーマは「小さき兄弟としてのアイデンティティ」です。総長と総理事会はこのテーマについて、私たちが先の2009年総集会で求められたように私たちの生活様式に忠実に、今ここで「福音の賜物の使者」であるための基本であると考えます。各管区及び分管区から、荘厳誓願宣立後10年未満の兄弟が少なくとも1人は集会に参加する事が期待されます。そのためすべての管区長及び分管区長の皆様に、この集会に参加するのに適した候補者を見極めて下さるようお願い致します(OFM総長の手紙より)。

再編成と再構築

2009年総集会の指令47は、次のように述べています:「総集会は、管区の再編と再構築という問題について、その目的と方法と類型を明らかにしつつ、今後も継続的に検討するように、また、福音的で宣教者的な生活により大きな活力を与えるという視点から、そうしたプロセスを支えるための指針を提供するように、総長と総理事会に要請する」。

総理事会はこの指令に応えるために、こうした再編と再構築のプロセスをすでに完了したか又は現在行なっている最中の幾つかの構成単位の体験に基づきながら手引き書を作成しました。手引き書は2011年1月に開かれた新任の管区長と分管区長の会議の席で発表され、これら新メンバーの貢献によりさらに充実した内容となって出版されました。日本語版PDFはこちら

「アシジ精神」とイタリアのフランシスカンたち

「アシジ精神」の25周年記念祭(1986-2011)が近づき、地元や地区のイニシアティブが高まりをみせています。記念の集まりは2011年10月27日、教皇ベネディクト16世をアシジに迎えて行なわれます。イタリアのフランシスカン家族協議会のおよそ55人の管区長は、2011年3月21日から26日までパレルモで開かれたその第35回総会を、専ら「アシジ精神:記念と預言」をテーマとして行ないました。

このテーマは兄弟テクル・ヴェトラリによって管区長たちの内省に再度提議されました。同兄弟はアシジのイベントを、そこに招かれた様々の宗教の代表者たちによる巡礼の旅として実現された、平和と対話の体験として語りました。当時の教皇ヨハネ・パウロ二世も代表者たちをこの旅に招き入れつつ、自身も巡礼者としてアシジの聖フランシスコの墓所に向かって歩みました。

平和を祈願して「神の御手の中に民たちの歴史を置く」ために、「共に祈るのではなく、祈るために共にある」という祈りの次元が兄弟ダニロ・サレッツェOFMConv.によって説明されました。

フランシスカン家族の管区長たちはこの記念年の間、イタリアの様々の地域でイベントを共に祝う方法について合意しました。また総会の間に、兄弟ジャンフランコ・グリエコの著書「ベネディクト16世と聖フランシスコ。歴史、神学、要理教育、霊性」が紹介されました。書物は聖フランシスコ、霊性、フランシスカンの諸聖人について教皇在位最初の5年間に出された101の講話を収めており、ヴァチカン出版局とフランシスカン管区長協議会連合の共同編集で出版されます(2011年ローマ)。

フランシスカン霊性研究所の40年-ローマ

フランシスカン霊性研究所(IFS)の活動40周年を記念して2011年4月4日、clip_image004教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)で研究デーが開かれました。テーマは「現代の霊的神学のアイデンティティと任務」でした。大学総長の兄弟ヨハネス・B・フレイヤーOFMとIFS所長の兄弟パオロ・マルティネッリOFMCapの挨拶に続いて、ロッサノ・ザス・フリッツ・デ・コルSJ師が「霊的神学:ヴァチカン第二公会議から現在までの評価と展望」と題する提言を行ないました。午前中は「フランシスカン霊性研究所:記念と預言の間で」というテーマで、IFS教授によるラウンド・テーブル・ディスカッションがありました。参加した教授陣は以下のとおりです:兄弟フレデリック・ラウレルOFMCap、兄弟フェルナンド・ウリベOFM、兄弟アルヴァロ・カッチオッティOFM、兄弟レオンハルト・レーマンOFMCap、IFS副所長の兄弟アルベルト・シュムッキOFM。

午後は兄弟パオロ・マルティネッリが「フランシスカン霊性研究所の歴史をたどる」という題で発表し、それに続いて小さき兄弟会総長でPUA理事長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョとカプチン小さき兄弟会総長の兄弟マウロ・ユーリが、「フランシスカン霊性研究所のミッションとは何か」というテーマで講話しました。

その後以下の出席者から相次いで挨拶や証しの発表がありました:コンヴェンツァル小さき兄弟会総長の兄弟マルコ・タスカ、律修第三会総長の兄弟ミカエル・J・ヒギンズ、国際フランシスカン協議会-律修第三会(CIF-TOR)議長の兄弟ジェームズ・プグリシ、フランシスカン・レリジャス・ムーブメント(MoReFra)議長のマザー・カルメン・シマローリSCMR、元IFS学生のSr.ロゼーラ・バイマFMM。またこの研究デーのために兄弟マルコ・フィンコOFMCapの発案で、「フランシスコの足跡」と題する写真展が催されました。

フランシスカン新刊の栞

clip_image006ジャンフランコ・グリエコ著「ベネディクト16世と聖フランシスコ。歴史、神学、要理教育、霊性」(原題Benedetto XVI e San Francesco. Storia, Teologia, Catechesi, Spiritualità)。ヴァチカン出版局、ローマ、2011年。全300頁。

ベネディクト16世は実にフランシスカン的な教皇です。2005年10月12日の一般謁見の際に、教皇は詩篇121とフランシスカンの「平和と善」という挨拶について評して「私たちの魂は皆いくらかフランシスカン的です・・・」と述べました。本書に収集された教皇ベネディクト16世によるフランシスカンの考察は、ただ神学者教皇のフランシスカン「選集」を紹介するだけでなく、聖フランシスコに従う人々や、聖人の時空を超えたメッセージに惹きつけられる善意の男女のために、特に教皇の「フランシスカン的提案」を示す事を目的としています。

ギルバート・カヴァゾス・ゴンザレスOFM著「母の愛より大きく:アシジの聖フランシスコと聖クララの霊性」(原題Più grande dell’Amore di una Madre: La Spiritualità di clip_image008Francesco e Chiara d’Assisi)。スクラントン大学出版、スクラントン(USA)、2010年。全308頁。

アシジの聖フランシスコと聖クララの生涯については様々の研究があります。けれども「母の愛より大きく:聖フランシスコと聖クララの霊性」と題された本書は、二人の聖人の霊性を、初めて家族関係という文脈で捉えて研究したものです。著者は中世イタリアの家族という文脈でのフランシスコとクララの家族について、綿密に研究する事から始めます。そして両聖人の書き物を精読し、二人が神の体験を理解するために、如何に多様な家族関係から引き出された表現を用いているかを解説します。フランシスコとクララが13世紀の公衆のために書いたという事を考慮して、著者は現代のフランシスカン読者のために、両聖人の霊性を日々の生活へのメッセージと共に読み解く事を提案します。本書は徹底された網羅的な参考文献と豊富な補遺とに裏うちされており、その事は、深く愛され賛美されてやまない二人の聖人についてのこのユニークな専門書の価値を、さらに高める要素となっています。

ピーター・フォブスOFM著「信仰の道:ローマ。永遠の都の巡礼者への案内書」(原題Glaubenswege: Rom. Ein Pilgerführer für die Ewige Stadt)。パウリヌス出版、トリール(ドイツ)、2011年。全120頁。

本書は単に観光だけでなく、巡礼者としてローマを訪れたいと思う人々に向けて書かれています。世界中の他のどの地よりも、永遠の都での巡礼者体験は、その芸術と歴史とに出会う事を通して実現されます。本書は多色刷りの数多くの写真や素描を通してそれを解説する事で、私たちに非常に多彩な提案をします。そして最終的には、キリスト教の歴史上重要な意義を持つ人々に関連した史跡を載せています。

お知らせ-世界のあちこちから

イタリア語講座:教皇庁立聖アントニオ大学(PUA)は養成と勉学総事務局の統轄で「尊者・兄弟ガブリエル・M・アッレグラ」国際共同体の主催により、イタリア語イタリア文化講座を開講します。講座は2011年8月29日から9月23日までの月曜日から金曜日まで(9:00AM-12:20PM)の総計80時間、メルラナ通りの同大学でイタリア語ネイティブ話者の教授陣の指導の下、受講者のレベル毎に小グループで行なわれます。

講座期間中に城壁の外の聖パウロ聖堂を始め聖カリストゥスと聖セバスティアノの地下墓所やヴァチカン美術館へのガイド付き見学と、ヴァチカンでの教皇の一般謁見が予定されています。講座終了時には修了証書が授与されます。

受講料は教科書と教材、見学費用を含めて450ユーロです。申し込み締め切りは2011年7月5日です。詳しくは「兄弟ガブリエル・アッレグラ」共同体tel. 0670373686; fax. 0670373614; e-mail: sinke@libero.it又はPUA総事務局antonianumsegr@ofm.org; tel. 0670373502; fax: 0670373604にご連絡下さい。

リマの聖フランシスコ公文書館から-ペルー:リマの聖フランシスコ公文書館のニュースレター第36号が、電子版と紙の両方の形で刊行されています。これは多数の歴史研究家と公文書館員と協力者たちの働きによるもので、聖フランシスコ・ソラヌス帰天400周年を記念して文化に貢献する事を目的として実現されました。ニュースレターはリマのフランシスコ美術館の歴史的プロセスを記録しており、フランシスカン家族や研究者たちを始め最新のニュースや重要なイベントを知りたいと思う多くの人々にとって関心深いトピックが収められています。電子版は無料で下記サイトからダウンロードできます:

http://issuu.com/prensafranciscanaperu/docs/bolet n archivo n 36 – l?viewMode=magazine

フランシスカンと社会的なコミュニケーションの手段―ペルー:ペルーの十二使徒管区の兄弟たちは、社会的なコミュニケーションの手段をいっそう活用しています。「平和と善」、「偉大な王の使者」、「クララ会の声」等の公報や、サンタローザ・ラジオ放送(www.radiosantarosa.com.pe)、テレビのJN19チャンネル(www.jn19tv.com)、PaxTV(www.paxtv.org)がその例で、フランシスカンの思想を伝え、兄弟たちや管区の様々のイニシアティブや活動を知らせる方法として役立っています。

管区は自身のウェブサイトhttp://www.12apostoles.org.pe/も持ち、リマのフランシスコ美術館と同市の地下墓所のサイトも開いています。

(http://www.museocatacumbas.com/)先頃「ペルー・フランシスカン・プレス」はブログを起こし、ニュースや最近のイベントについての評論に加えて、PDFフォーマットで典礼公報とリマの聖フランシスコ公文書館ニュースレターも掲載しています:http://prensafranciscanaperu.blogspot.com

第6回ブラジルのフランシスカン・マーチ:ブラジルのフランシスコ会「イエスのみ心」分管区は2011年7月24日から8月1日まで、アシジの贖宥を求めて第6回フランシスカン・マーチを主催します。行進はサンパウロ市の「ガルサのルルドの聖母」小教区から始まり、同市のフランカの「アシジの天使の聖母」修道院でのゆるしの典礼と免償をもって終わります。詳細は下記サイトをご覧下さい:http://www.vocacaofranciscana.blogspot.com/

教皇庁評議会に本会兄弟任命:教皇は2011年4月14日、PUA教会法学部の学部長を務める兄弟プリアモ・エツィを、教皇庁の法文解釈評議会顧問に任命しました。

総長がタイの宣教地区訪問

小さき兄弟会総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョは2011年4月12日から15日まで、総理事の兄弟パスカリス・シュクルofmと共にタイの宣教地区を訪問し、宣教地区で働く兄弟たち全員と志願者及び有期誓願者に、ランサイの地区本部で会いました。共同体はホスピスを運営しており、現在HIV患者12人(タイ人10人、アフリカ人1人、英国人1人)の世話をしています。総長たちはバンコクで司教区の大司教と会い、同地のフランシスカンたちの存在と、宣教地区と司教区の将来的な協働の必要性について話しました。プラチュアプではカプチンのクララ会や教会委員会、それに宣教地区への入会希望者と会いました。また宣教地区評議会との会議が開かれ、その際にはビルマの宣教地区議長も出席して両共同体の協働の必要や誓願者と志願者の養成、より多くの宣教者の必要等、双方に関わるテーマについて話し合いました。現在タイの宣教地区には7人の荘厳誓願宣立者がおり、その内3人がパキスタン出身、3人がインド、1人がスペイン出身です。そして有期誓願者4人、志願者5人、入会希望者18人がいます。

総長がベトナム管区訪問

clip_image010 本会総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョは2011年4月8日から12日まで、総理事の兄弟パスカリス・シュクルと共にベトナムの聖フランシスコ管区を訪問しました。そして管区理事会や修道院長たちを訪ねると共に管区の兄弟たちに総集会の総括文書「福音の賜物の使者」を贈り、フランシスカンのアイデンティティについて語りました。養成担当者と養成中の兄弟たちには、現代の養成が直面する課題について話しました。サイゴンのクララ会姉妹たちにはフランシスカン的・クララ的アイデンティティについて、またクララ会創立800周年記念祭の開始について話しました。最後に総長はマリアの宣教者フランシスコ修道会に、フランシスカン家族内の協働について話しました。こうしたすべての会議は、その後に引き続き活発なディスカッションが行なわれました。

総長はサイゴン大司教区の枢機卿大司教にも会い、同国における本会と教会の状況や、特にアカデミックな養成分野を含めてフランシスカン管区と司教区の協働の必要について話し合いました。ベトナムの聖フランシスコ管区はアジアで最も活躍し発展している構成体の一つです。現在153人の荘厳誓願者がおり、その内94人が司祭、41人がブラザーの兄弟、18人が神学生です。そして有期誓願者48人、修練者16人、献身者1人、志願者26人、入会希望者64人がいます。