2011年6月号

ヨハネ・パウロ二世列福-バチカン

clip_image002 ヨハネ・パウロ二世の列福式に先立つ前夜祭が4月30日ローマのキルクス・マクシムス(円形野外大競技場)で行なわれ、20万人を超える人々が参加しました。前夜祭の第一部は「記念の祝い」と題され、新たな福者の教皇在位当時広報官を務めたナヴァロ・ヴァルス博士や個人秘書のドズィヴィツ枢機卿等、教皇に近しい協力者からの貴重な証しがありました。Sr.マリー・シモン-ピエールも、教皇により奇跡的に癒されたという感動的な体験を語りました。実際列福への道を開いたのは、ヨハネ・パウロ二世のとりなしによるこの癒しの奇跡でした。第二部は、ヨハネ・パウロ二世が自ら取り入れた「光の神秘」のロザリオの祈りでした。その5つの黙想から世界中の5つの聖マリア聖所-ポーランドのクラクフのラニエフニキ、タンザニアのカウェカモ-ブガンド、レバノンのハリッサの聖母、メキシコ市のグアダルペの聖母、ポルトガルのファティマ-を生中継で直接結んでロザリオが唱えられました。前夜祭は教皇ベネディクト16世がバチカン宮殿から中継で結びの祈りを唱え、すべての参加者に祝福を与えて終了しました。

ヨハネ・パウロ二世の列福式は復活祭から第8日目「主のいつくしみの主日」の5月1日、聖ピエトロ広場で150万人の巡礼者を前にベネディクト16世の司式による聖体祭儀で行なわれました。教皇はその先任者に次のような言葉で直接語りかけて説教を締めくくりました:「幸いなるかな、教皇ヨハネ・パウロ二世。あなたは信念をお持ちでした!どうか神の民の信仰を天から支え続けて下さいますようにお願い致します。あなたはこの同じ広場からたびたび私たちを祝福して下さいました。教皇様、この窓からどうぞ再び私たちを祝福して下さい。アーメン」。聖体祭儀の後ベネディクト16世は新たな福者の遺体を崇めるために共同司式の枢機卿たちと共にバチカン聖堂内に向かい、出席した諸権威や司教たち、大勢の信者たちがそれに続きました。

数字にみるOFM兄弟共同体

2010年12月31日現在、小さき兄弟は総数14,247人です。その内訳は以下のとおりです:志願者582人(総数に含まれない)、修練者386人、有期誓願宣立者1,413人(司祭を目指す兄弟919人、司祭を目指さない兄弟[ブラザーになりたい兄弟]165人、まだ選択していない兄弟329人)、荘厳誓願宣立者12,448人(司祭9,714人、終身助祭77人、司祭を目指す兄弟466人、ブラザーの兄弟2,077人)。フランシスカンの枢機卿6人、大司教/司教108人で合計114人。2010年中に帰天した兄弟は319人でした。

小さき兄弟たちは110カ国に存在しており、その分布は以下のとおりです:アフリカと中東1,100人、ラテンアメリカ3,413人、北アメリカ1,461人、アジア・オセアニア1,301人、西ヨーロッパ4,507人、東ヨーロッパ2,465人。普遍の兄弟共同体は管区100、自治分管区7、総長直属の構成単位7、管区長協議会14、協議会連合3(アジア・オセアニアのFCAO、ラテンアメリカのUCLAF、ヨーロッパのUFME)から成っています。こうした統計的な数字は、私たちの生活の質の評価に最も重要な要素ではありません。けれども私たちが「共同体の存在に意義を取り戻し、『活動』に新たな宣教の献身を取り戻す」(総理事会便覧「再編成と再構築」7)事を望んで選び取る時、それは心に留めておくべき重要な事実です。

クララ会創立800周年記念の全免償

clip_image004OFM総長の兄弟ホセ・ロドリゲス・カルバッリョの要請を受けて、教皇庁内赦院は2011年4月16日付けの宣言書(Prot.503/11/Ⅰ)によりクララ会創立記念年(2011年4月16日-2012年8月11日)の年間を通して全免償を認めました。教会がこの場合のために定める通常の条件をもって、巡礼あるいは信心でクララ会修道院を訪ねる人がいつでも全免償を得られます。クララ会姉妹は全免償を一日に一度得る事ができます。詳しくは日本管区のホームページ参照。

新しい宣教者の派遣-ローマ

総長は2011年5月22日、カプチンの兄弟たちと共にブリュッセルで3ヶ月の養成を終えた兄弟たちに、宣教地への任命書を授与しました。本会の3人の兄弟たちとその派遣先は以下のとおりです:コンゴ民主共和国「アフリカの聖ベネディクト」管区所属の兄弟ピエール・カバンバ・カブルはハイチへ、同国同管区所属の兄弟タデー・ムサス・ブアナシンはモロッコ分管区へ、ボリヴィア「聖アントニオ」管区所属の兄弟フランシスコ・エウヘニオ・フェルナンデス・ゴンザレスは中国へ、それぞれ向かいます。

総長は任命書授与の際に、私たちが宣教者の兄弟共同体である事を思い起こすようにと希望しました。そこでは800年前にサン・ダミアノの十字架上の御方から私たちの創立者に与えられた「フランシスコよ、行きなさい」という最初の命令が、いつもこだまのように響き続けていなければなりません。

リトアニアのSFO全国選挙集会

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リトアニアSFO全国共同体は2011年5月6日から8日まで、首都ヴィリニスで全国選挙集会を開きました。6つの地区共同体を代表しておよそ30人のメンバーが、全国霊的補佐の兄弟サウリウス-パウリウス・ビタウタスOFMと共に出席しました。また全国フランシスカン・ユース(以下ユー・フラ)の代表として、全国会長のヴィルジニア・ミック氏と副会長のモニカ・ミドヴェリト氏が出席しました。SFO国際評議会(CIOFS)議長団代表として、議長団評議員のエワルド・クロイツェル氏と、SFO/ユー・フラへの霊的総補佐の兄弟イヴァン・マティッチOFMも出席しました。

全国集会は5月6日午後、SFOとユー・フラの現状と福音宣教への召し出しについての発表をもって始まり、それに続いて、退任する全国評議会の報告がありました。翌5月7日朝、議員たちはこれからの3年間の優先課題について研究グループに分かれて取り組みました。選挙集会は同日午後行なわれ、新全国評議会が選出されました。全国会長にはネリウス・カパス氏、国際評議員にはアイダス・ジンタラス氏が選ばれました。リトアニアSFO全国共同体は6つの地区共同体からなり、およそ530人のメンバーがいます。ユー・フラは5つの地元共同体に存在し、100人以上のメンバーがいます。この選挙期間中に、新たなSFO共同体とユー・フラの養成に向けた準備も行なわれています。

フランシスカン新刊の栞

ジョン・ワッツ著「優しい水やり:13世紀から20世紀スコットランドclip_image008におけるフランシスカンたち」(原題A Tender Watering: Franciscans in Scotland from the 13th to the 21st Century)。フランシスカン国際研究センター、カンタベリー、2011年。全424頁。「優しい水やり」は、世界中のフランシスカン家族の豊かな歴史に加えて迎え入れるべき作品です。著者は綿密な調査研究を土台に人を惹きつける魅力的な文体をもって、スコットランドに生きた13世紀から現代に至るまでのフランシスカン男女修道者の証しを私たちに紹介します。スコットランドという文脈におけるフランシスカン・カリスマの霊的・司牧的・宣教的な要素に知的要素を合わせて、本書は様々の出来事や人物についての優れた描写と緻密な解釈を通して生き生きとした全体像を示します。この「優しい水やり」はただ単にスコットランドにおけるフランシスカン家族の歴史というにとどまらず、13世紀から現在に至るフランシスカンの歴史と神学と霊性と実践的生活の発展を俯瞰します。公文書資料に基づきつつ、フランシスカン家族の男女メンバーの交流や中世及び現代世界の社会的政治的力について興味深い意欲的な注釈を豊富に盛り込み、共感を込めて書かれた秀作です。下記サイトを御参照下さい:http://www.franciscanbooks.co.uk/

お知らせ-世界のあちこちから

「世界青年の日」がウェブに:教皇ベネディクト16世の招集により2011年8月16日から21日までスペインのマドリッドで開催される「世界青年の日」の全イベントを、下記サイトで見る事ができます:http://www.cetelmon.tv/、 http://www.radiodelapaz.org/

本会兄弟が控訴院高位聴取官に任命:教皇は2011年5月9日、聖地特別分管区の兄弟デヴィッド・マリア・A・イェーガーを教皇庁控訴院高位聴取官に任命しました。兄弟デヴィッドは現在ローマの教皇庁立聖アントニオ大学で教会法の教授を務めるかたわら、教皇庁の東方教会省と聖職者省の顧問及び法文解釈評議会顧問の任にあります。

薬物・アルコール依存症者のリハビリテーション・ホーム(チリ):チリ聖三位一体管区の「ヴェニフォラス」共同体修道院は2011年4月29日、テムコ(同国南部)の司教モンシニョール・マヌエル・カミロ・ヴィアルと管区長の兄弟ロジェリオ・ウーテルスに祝別されました。共同体は兄弟的な生活と働きと祈りを通して、薬物常用やアルコール依存症に苦しむ人々のリハビリテーションの過程に同伴しようと努めています。このプロジェクトは2008年管区会議で承認され、後援者の信徒たちとの協働で実現したもので、当初はこの新たな課題に奉仕するべく十分準備した兄弟マッシモ・カヴェリスⅠと兄弟オマー・ルナ・Cの二人に委ねられました。リハビリテーション・ホーム修道院の所在地はサンチアゴから576キロ南に位置するコリプリのヴェニフォラスで、兄弟たちの昔の学校の中にあります。

ブザンソンでフランシスカン兄弟たちの巡業の旅:長いフランシスカン伝統の町であるフランスのブザンソンで2011年4月25日から5月1日まで、「巡業の旅」週間が実現されました。フランス-ベルギー「三人の仲間」管区と「福者パシフィコ」管区の巡業の兄弟たちのコーディネーターを務める兄弟ジャック・ジュエの指揮の下、一同はしばらくの間共に巡業の生活を体験しました。兄弟ジャックは次のように記しています:「聖霊の学び舎で、私たちは自分を無にする事と回心、それに自分自身及び他者との正しい関係を学びます。自分を中心に置くのではなく、私たちを導いて下さる神を中心に置く事を学ぶのです。巡業の旅は力強い信仰の体験です」。

総事務局に新任補佐:コロンビアの聖信仰管区所属の兄弟アキメド・エキェベリ・カルボネルはローマの総事務局補佐に任命されました。