2011年10月号

聖フランシスコの祭日

clip_image002[8]聖フランシスコが仲間たちに与えた「小さき兄弟」という名は、聖職者であってもブラザーの兄弟であっても、兄弟として小さき者として、キリストの弟子として生きる生活の内に本質があるという事を示しています。教会のために新たな仕方で福音を生きるために受けたカリスマは、私たちをまずもって小さき兄弟とする、私たち特有の新たなアイデンティティです。それ故私たちのミッションは、兄弟として小さき者としての福音的生活を通して、教会を建て直す事に他なりません(2011年聖フランシスコの祭日に向けて、総長と総理事会の手紙より)。

フランシスカンの新司教-バチカン

clip_image002[6]教皇ベネディクト16世は2011年7月16日、ポーランド「無原罪の御宿り」管区の兄弟ダミアン・ムスクス・アンドレイを、同国クラクフ大司教区の補佐司教に任命しました。新司教は1967年同国サルズィナ・ノーワに生まれ、1991年荘厳誓願宣立、1993年司祭に叙階されました。現在まで管区養成事務局長を務めていました。

ローマの教皇庁立聖アントニオ大学の新総長

clip_image002[4] 聖座カトリック教育省は2011年6月30日付政令によって、兄弟エツィ・プリアムを3年任期でローマ教皇庁立聖アントニオ大学の新総長に任命しました。同兄弟は現総長の兄弟ヨハネス・B・フライヤーの後任となります。

兄弟プリアムはサルディニアの小さき兄弟会「恵みの聖母」分管区のメンバーで、2005年から現在に至るまで同大学教会法の学部長を務めています。

使徒聖トマス管区の近況-インド

インドの使徒聖トマス管区は今年21人の修練者に恵まれました。管区は現在従属分管区と宣教地区が各1つあります。志願期から助祭職までの全養成は、管区の指導の下で分担して行なわれます。本年は国内各地から管区または北部にある従属分管区、あるいは北東部にある宣教地区にそれぞれ所属する、様々な養成段階の119人の兄弟たちが集まっています。

イタリア6管区の理事たちの集会-アシジ

総長は2011年9月5日から8日までアシジで、北イタリア6管区の管区長と管区理事の年次会議を開催しました。この数年間ジェノヴァ、トリノ、ミラノ、トレント、ベネチア、ボローニャの6管区は、2016年の合併へとつながる再編の道を歩んできました。今回の会議は、各管区内で実行された作業を再提議する「準備文書」に取り組むために招集されたものです。さらに会議は新しい一つの構成単位の構築に鑑みて、6管区内で行なわれる重要な作業の諸側面に焦点を当て、共同体と管区合同の奉仕を再編成するための手順を提案しました。この作業の提案について、総長は肯定的な諸点や留意すべき側面、私たちの存在の再生と再建の基本的な目的、管区がこれから向き合う課題を明確にしました。会議には管区理事とイタリア総理事の兄弟ヴィンチェンゾ・ブロカネッリを始め、およそ40人の兄弟たちが出席しました。

展覧会「フランシスコ、アシジからの光」-ドイツ

OFM、OFMConv、OFMCapの三総長の支援を得て、2011年12月9日からclip_image0022012年5月16日までドイツのパーデルボルン教区美術館で「フランシスコ、アシジからの光」と題する展覧会が開かれます。文書や絵画、ウンブリアとドイツ地域で見出されたフランシスコのアシジでの生活に関する美術品が展示されます。展覧会にはアシジのサクロ・コンヴェントとバチカンの教皇庁図書館も参加します。パーデルボルンの大司教もドイツのフランシスカンのイニシアティブを歓迎し、ドイツでもキリスト教徒に深く愛されて人気ある中世の聖人についての、この研究イニシアティブに協力しています。この機会にヒルメル出版は芸術的価値の高い2冊の書物を刊行します。その1冊は展覧会のカタログ兼解説として、他の1冊は聖フランシスコとアシジ聖堂についての資料と共に出版されます。詳細は下記サイトをご覧下さい。http://www.dioezesanmuseum-paderborn.de/

テサロニケでカトリックと東方教会とのシンポジウム-ギリシャ

エキュメニカル対話のための第12回キリスト教合同シンポジウムが2011年8月30日から9月2日まで、ギリシャのテサロニケで開かれました。シンポジウムは教皇庁立聖アントニオ大学のフランシスカン霊性研究所の主導により、テサロニケのアリストテレス大学の東方教会神学部神学科との協働で開催されたもので、テーマは「現代世界における教会の証し」でした。このテーマの選定に当たって主催者は、「キリスト教徒の生活にとって、宣教者的な行動と教会の目に見える一致への道との関係を深める事が重要であると強調したかった」と述べました。

ブリュッセルで新期の宣教師養成講座始まる

創設から11年目を迎え、ブリュッセルの講座は兄弟たちをミッションに向けて養成し続けています。今年も宣教者として世界中の様々の地域に派遣される12人の新しい兄弟たちが参加して、すでに9月初旬から英語での新講座が始まっています。受講者はカプチンの兄弟が7人、コンヴェンツァルの兄弟が3人、小さき兄弟が2人で、フィリピン、イタリア、インド、ポーランド、マラウィの出身者です。

開講式にはカプチンの兄弟ヘルムートとコンヴェンツァルの兄弟ヤレク、小さき兄弟の兄弟マッシモの三人の海外宣教総書記が出席しました。講座の指導監督は兄弟ジャンフランチェスコ・シストが務め、修道院長の兄弟ディディエ・ファン・ヘッケとコンゴ出身の新しい小教区司祭の兄弟ベンジャミンが補佐します。3ヶ月の講座の最後に、宣教者の兄弟たちはアシジで一週間霊的黙想をします。その後2011年11月20日に総長から宣教指令書が授与されます。

フランシスカン新刊の栞

*シジスムンド・ヴェルヘイ著「命ある者の地で-アシジの聖フランシスコの会則」(原題Ke Negeri Orang-orang hidup. Anggaran Dasar Fransiskus Assisi untuk Para Saudara Dina)。メダン(インドネシア)、2011年。全208頁

clip_image012 著者シジスムンド。・ヴェルヘイの大きな貢献は、会則を「キリスト教的完徳という一般的な教え以外には、本来のフランシスコのカリスマが全く反映していない一連の信心書」として見られ解釈される事から解放したことです。フランシスカン資料集の研究を通して、著者はフランシスコと仲間たちの原初の福音的な生活様式を見出します。そして何がフランシスコと仲間たちに、教会と社会の両方に身を置くという選択をさせたのかを明らかにします。フランシスコが父の元を出てアシジのハンセン病者の「地」を求め始めた時、彼はこれまでとは別の見方で社会を見るようになりました。そしてそれはフランシスコの回心の時となりました。会則の具体的な指示は、弱く脆く従属的な立場の側に立つという、フランシスコのこの本質的な選択に基づいてのみ理解できます。フランシスコと仲間たちは、人々が他者を支配し自己の利益を守るためにその権力を維持し拡大しようと必死にもがく社会に属す事を望みませんでした。むしろ政治的、経済的、教会的、軍事的な力とその結果生ずる価値体系とを放棄し、自身の生活様式を通して、神のみが全能である事を示しました。

*ジョヴァンナ・カサグランデ著「クララを巡って。転換期-仲間、修道院、献身」(原題Intorno a Chiara. Il tempo della svolta. Le compagne, i monasteri, la devozione)。ポルツィウンクラ出版、2011年。全240頁。

clip_image014 アシジのクララの生活は、共同体体験を大きな特徴とします。そのためクララにとって孤独は不自然なものでした。この理由により、聖人は各人の本質的次元が見出されるのは他者との出会いによってあるという事を証しするために、絶えず神との関係及び他者-特に姉妹たち-との関係へと開かれていました。著者は資料に裏づけされた注意深い研究を通してクララの霊的冒険と修道ムーブメントを読み直し、その永続的な豊かさと適切さを把握しようと努めます。

お知らせ-世界のあちこちから

聖地のキリスト教徒の問題についての国際会議:英国ロンドンで2011年7月18日から19日まで、聖地のキリスト教徒の問題についての国際会議が開かれました。会議はウェストミンスターのカトリック大司教とカンタベリーの英国教会大主教が共同で主催しました。

会議の目的は、「メディアによる現地の状況、政界及び統治責任者についてのより確かな監視(モニタリング)」を促進させる事でした。会議はキリスト教徒コミュニティに対するより大きな注目を強調しました。コミュニティの解消は、すでに危険なまでに急進化している地域の地勢図に深刻な結果をもたらすと懸念されています。会議ではさらに以下の事案の促進が重要視されました:1)聖地の小教区や学校や市民社会のために現況を正確に記述した資料を作成すると共に、現在の傾向を覆すのに有用な選択肢を検討する。2)聖地のキリスト教徒への経済的援助を行なう。具体的には法的保護の作業や巡礼、若者のためのプロジェクト、学生や学者の交換プログラム、教区や小教区や学校間の連絡と連携の緊密化、様々の信仰の間の協力を支援する。

ボリビアのフランシスカンズ・インタナショナルが地区ワークショップ週間を共催:ボリビアのフランシスカンズ・インタナショナル(FI)は2011年7月初旬に同国タラタの聖フランシスコ修道院で、特に極貧の問題に注目しつつ「国連における人権機構」についてのワークショップ週間を共催しました。

同国フランシスカンズ・インタナショナル担当室長の兄弟イナシオ・ハーディングOFMは、このボランティア活動を「現代の世界における私たちのフランシスカン・ミッションの本質部分」と考えます。そして「40人を越えるフランシスカン家族メンバーを始めコロンビア、エクアドル、チリ、エルサルバドル、メキシコ、ヴェネズエラ、ペルー、そしてボリヴィアからの他の組織の人々の参加を得て、私たちは幸せです」と語ります。

ワークショップには特に極貧とそれに関連する問題に取り組むフランシスカンたちが、様々の国での体験を分かち合い、個人的・集合的な行動を発展させるために集まりました。この機会にFIは参加者と共に、国連人権理事会内組織や条約機関、他の特別手続きなど国連の様々の人権機構に公式に提示できるデータと報告書を集めるための計画と方策を整えました。

ブラジルで福音宣教の国際会議:ブラジルのペトロポリスで2011年9月19日から22日まで、フランシスカン神学研究所の主催で「対話における福音宣教:新たなエコロジー方法論のシナリオ」をテーマとする国際会議が開かれました。詳細は下記サイトに掲載中です:http://faculdadedeteologiaitf.wordpress.com/

「アシジのクララ:人物像と歴史」:アーヘン(ドイツ)の「ヨハネ・ドゥンス・スコトゥス」アカデミーはクララ会創立800周年を記念して2011年11月8日から10日まで、「アシジのクララ:人物像と歴史」と題する会議を開きます。詳細は兄弟ヘルベルト・シュナイダー下記宛にご連絡下さい:Fr. Herbert Schneider, Franziskanerkloster Vossenack, Franziskusweg 1, D-52393 Hürtgenwald;

E-mail: herbert.schneider.ofm@gmx.de ; Cell: 0170 – 7 33 88 33.